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本校における起業家教育の取り組み
  web.04
(2008.7)
追手門学院大手前中学校・高等学校 起業家育成コース(プログラム) 富来 豪先生

1.はじめに

現在の日本において、政治・経済は激しい変革の波が押し寄せており、めまぐるしく情勢が変化しています。このような21世紀の社会・経済の中で、主体的に生きていく上で必要となる3大要素というものがあります。それは「財務・IT・語学(英語)」だといわれています。

我々はこの3大要素を本校の特色ある中・高6年一貫教育の中で身につけさせ、本学院の教育理念である「社会に有為な人材」を育成するため、さらには社会が求めている企業社会のリーダーを育成するため、この起業家育成プログラムを実施しております。

2.目的

「起業家」という言葉は、「新しく業を起こす人物」を表します。しかし本プログラムはこういう人材を輩出するだけではなく、「財務・IT・語学(英語)」を身につけた上で、自己実現ができる、もしくは自己実現することを通して社会に貢献する努力を惜しまない人材を育成したいと考えております。

具体的には「財務」においては簿記・会計・経済学の基本的なものを理解する(具体的目標は簿記等での資格取得)、「IT」においてはコンピューターリテラシーの向上を、「語学(英語)」においては(ビジネスの最先端をはしるアメリカの大学へ留学することを目的に)高等学校でのアメリカビジネス研修等により、確実な語学力を身につけます。そしてその成果は最終的にはビジネスプランの作成へとつながります。

このようなスキルを身につけた上で、「自己実現」ということになりますが、これに対しては「ライフプラン」(目的に向けた人生設計)を作成し、レビューさせることを繰り返し行うことにより、動機付け・意識付けをはかります。

このようなスキル・意識を獲得し、最終的には社会に貢献する優秀な経営者・後継経営者を育成することが、本プログラムの目的であります。

3.本校の起業家教育

◇中学生;資質の育成(=ゴールデンエイジ)
  ⇒ この年代で身についた習慣は一生もの
    基本的習慣を身に付けることを念頭に!
    モノの考え方の繰り返し(ドリル形式)
     PLAN ⇒ DO ⇒ CHECK ⇒ ACTION
  ⇒ しかし、子どもは飽きやすい・・・・⇒ ドリルの方法の変化を付ける

◇高校生;(=インディペンデントエイジ)
 自立の準備・個性の発揮を主眼に
 それまで身に付けたものを土台に
          ↓↓
 学内を中心とした課題ではなく、学外へも
 ⇒ 現在の自分の位置を知る
           +
 知識の習得と将来へのアプローチ
高校年代での注意点
  (1) 単純なドリル形式にしない
  (2) 高度な事象を導入
     ⇒ PCの利用・マーケティング
  (3) 将来への興味付け
     高大連携・産学連携を意識
     保護者への啓蒙活動

◇中高大10年一貫体制;
    中学年代〜高校〜そして大学へ

4.授業実践事例(中学校段階)

<実践内容の目的>
(1) 起業家のチャレンジ精神を学ぶことで、積極的な姿勢を養う。
(2) 自分の意思や考え方を人に伝えることの大切さを学ぶ。

<指導計画>
(1) モデル授業担当教員:富来 豪 辻本侑介
(2) 対象者:中学校2年生 38名
(3) 実施期間:平成19年度
(4) 実施内容
  タイトル 実施内容 コマ数
1章 起業家を知る ヒットしている商品を発表し、売れている理由を考える。 1
2章 調べる起業家を決定する 始めの15分間で1章の残りの部分を実施。
残りの35分間でグループごとに調べる起業家を決定する。
1
3章 起業家についての理解を深める 大阪起業家ミュージアムを見学し、選択した起業家を調べる。 2
4章
(第1部)
起業家について話し合い、発表する起業家をまとめる グループで、起業家を調べた感想や学んだことを意見交換する。 1
4章
(第2部)
起業家について話し合い、発表する起業家をまとめる パソコンを使用し、発表用資料を作成する。 3
5章 起業家の生き様とそこから学んだことを伝える グループごとにまとめた内容を発表する。 2
6章 ワークショップ〜学んだことを活用する〜 実施せず  
7章 振り返り 感想及びアンケートを書かせる。 1
<生徒の反応(一部を抜粋)>
(1)今回のプログラムを通じて、学んだことはありましたか?
  人数 割合(%)
は い 28 90
いいえ 3 10
【理 由】
  • 企業の過去のことや起業家について調べることはとても楽しかったし勉強になりました。
  • 調べたことを人に伝える難しさを学びました。
  • 昔の人を調べたりするのはとても大切だということが分かったからです。
  • 今、色々な仕事があり、みんなたくさんのことに挑戦して、成功していることを学びました。
  • 起業家は今ある大企業を苦労し、努力を重ねて大きくしてきたということ分かりました。
  • 努力が必要であることを学びました。
  • 早川徳次(シャープの起業家)がどのような思いでシャープペンシルをつくってきたのか分かりました。
(2)今回のプログラムを学び、将来の夢を見つけるためになにか行動をしようと思いましたか?
  人数 割合(%)
は い 21 68
いいえ 10 32
*それはどのようなこと(行動)ですか?
  • 積極的に物事にチャレンジしていきます。
  • おもしろく、やりがいのある仕事を見つけようと思います。
  • 努力をすれば何でも出来ると分かったので、努力をしていきます。
  • 勉強を頑張ります。
  • たくさんの体験・経験をします。
  • やりたい仕事を見つけ、勉強を頑張ります。
  • 努力します。
  • 努力すれば、いつかは必ず実ると学んだので、地道に頑張ります。

5.おわりに

本プログラムの実施により、生徒が「仕事」ということを通して社会を考え、将来的にビジネスプランの作成を実現し、社会に役立つ人材となることにつながればと考えます。

また、総合的な学習の時間、中学社会(歴史的分野・公民的分野)などとリンクすることができ、(地域の歴史・日本社会の変容と国民生活とのかかわりなど)これからの世の中で必要な「チャレンジ精神」を育成するきっかけになると考えます。

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