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高校生の消費生活
  web.10
(2012.1)
明星学園高等学校 中谷 ゆう子 先生

1.はじめに

明星学園では、「教養・自己表現・社会性」を身につけることで「主体的・創造的な人間」に育ってほしいと考えています。

バラバラな知識を詰め込むのではなく、学問の本質をひとまとまりの世界として獲得し、学ぶことで新しい世界を広げていく教養としての力。学んだ事を自分の言葉や表現方法で表し、他者に伝えることのできる力。異なる他者を理解し、ともに創造し協働することができる力を総体として明星学園は「学力」と考えています。

生活科では、現代社会における家庭生活の課題に対応できる力を養うと共に、自立した生活者を目指して諸科目を編成しています。

身近な経済の話がなじまなくなっている今、高校生が社会生活上で日々消費を繰り返しています。毎日、金銭を支払う場面に遭遇し、ものだけでなくサービスの後払いで社会の経済活動を支えています。

そこで、高校の授業で今取り組めるひとつをまとめてみました。

2.授業の位置付け

◇対象学年 高校1年生
◇対象科目 必修「生活」(多くの学校で家庭科という名称) 2単位

  ・1学期 食生活・・・・・・・・・理論と実践  
  ・2学期 食生活の設計・・・実習で立証  
    生活設計・・・・・・・高校生の将来と生活設計 (本時)
    家庭経済・・・・・・・高校生の生活費 (本時)
  ・3学期 衣生活の基礎・・・木綿の布巾  

◇使用教材

●自作プリント
● 「生き生きTOMORROW」(生命保険文化センター作成・副教材)

(1)自作プリントの内容の一部
 ・ 「1カ月の小遣いのゆくえ」を費目ごとに書き出す。
  ※あらかじめ、小遣いをメモしておくよう課題を出しておく。
 ・支出の合計を計算し、多い費目について自分で分析する。
 ・計画的に支出しているかも振り返る。
 ・現金払い、後払いなど支払方法の分類をする。
 ・小遣い内で収まった工夫点、収入以上の支出の分析、親の負担など、自己点検する。

(2)「生き生きTOMORROW」を使用して、教育費を考える
 高校生に身近な「教育費」をとりあげ、家計に占める教育費の割合を計算する。
 また、自分自身にこれまでかかった教育費と、進路希望に合わせて、就職までに必要な教育費を計算する。

<生命保険文化センターからのご案内>
「生き生きTOMORROW」は生活設計のポイントを学んでもらうための高校生向けワークブックです。
高校生が直面する進路問題をはじめ、やがて迎える社会生活、家庭生活をより豊かなものにするため、いま何を考えておかなければならないのか、ワークシートを使いながら学べます。
教育費や住宅取得費、結婚に関するデータや高齢社会・年金のことなど、数多くの関連情報を掲載しています。

※当サイトから「生き生きTOMORROW」全編(34ページ)をPDFでご覧いただけます。
⇒ 「生き生きTOMORROW」はこちらから
なお、学校へは生徒数分など必要部数を無料で提供していますので、ぜひご活用ください。
 

3.授業展開例(2時間)

 
過程 学習活動 指導上の留意点
導入 小遣いのゆくえ ・思いだし作業
・自分の金銭の出し入れを再認識する
・書き出すことで振り返る
展開 収入を知る
支出を知る
支出の費目の分類
  親の自動引き落とし金額の有無
  使途不明金の書き出し
  生活場面の確認
  購入目的を書き出す

無自覚支出の頻度

・飲食費以外の費用
・娯楽費
・使途不明金はいくらか
・必要・不要の自分基準
まとめ 自らの財布を通過するお金のゆくえ
通信費の実態
家計費に占める高校生の教育費
・家計費に占める小遣いと通信費の割合を知る
・「生き生きTOMORROW」を使い、高校生の教育費を書き込む
 

4.生徒の感想

・今までかかった教育費の総額を知ったけど、本当はもっとかかっていると思った。 ・自分は弟もいるので、子どもの人数分の養育費・教育費を足し、家計費が心配になった。 ・当たりまえだけど、親の労働で収入を得ているという自覚もなかった。 ・欲しいものはバイトして自由に買えばいいと思っていた。 ・自分の消費が社会の経済活動に1票を投じているとは考えてもみなかった、重いなーと思った。 ・将来、これだけの収入を得る大人になれるのか不安になった。 ・「生き生きTOMORROW」の書き込みは楽しかったし、わかりやすかった。実際の金額を数字で知ることは大事だと思った。 ・お金の動きは、生活設計を考えることと並行して、書き出して初めて分かった。 ・今は不景気なので、いつも決まった収入のある生活とはならなそう、貯金とか保険とか将来を考えると知らなくてはならないことがたくさんあり、勉強する意義がわかった。

5.まとめ(おわりに)

「生き生きTOMORROW」は、書き込むことは考えること、という基本的な教材のハウツーをうまく生かしたワークブックであると思います。

高校1年生は、大いに盛り上がり、同時に金額を知り暗くなりました。時系列で仮想体験してみることで学習効果が高まると考えます。1冊すべてやり終えなくても、部分的でも授業に取り入れ個人作業させるという使い方ができる教材です。

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