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家庭の経済計画について学ぶ〜「新しい家庭経済授業プラン」の活用〜
  web.04
(2012.7)
大阪府立茨木西高等学校 家庭科 西田 恵理 先生

1.はじめに

本校は、大阪の北部、緑溢れる万博公園に隣接し、住宅街の中に立地する落ち着いた雰囲気の男女共学の普通科高校である。生徒は、896名が通学している。

平成23年度には、「がんばった学校支援事業」に選ばれるなど、生徒たちは、校訓の「和」、「茨西PRIDE」を合言葉に、「高校生による消費者教育」、「第21回全国産業教育フェア(鹿児島大会)に金融研究及び消費者教育等の展示出品」、「食育イベント」、地域ボランティア活動など様々な活動に積極的に取り組み、顕著な成果をあげている。

平成23、24年度には、「金融研究校」の指定も受け、10月25日(木)には、「(仮題)高校生とラテフプラン」のテーマで金融広報委員会と共催で金融講演会を実施する、生徒による「金融小冊子の作成配布」の予定など家庭科の授業をとおして、生徒自身が「ライフプランの必要性やライフステージと家計管理能力の育成、将来を見据えた自分自身の生き方」などについて考え、実践的、効果的に学ぶことができるように授業を実施している。

家庭の経済計画について学ぶ〜「新しい家庭経済授業プラン」の活用〜

2.活用にあたって

この授業は、「新しい家庭経済授業プラン」(生命保険文化センターが作成したパワーポイント教材)を利用している。

具体的には、抜粋・編集したスライドと本校生徒が効果的に学ぶことができるように作成したプリントにより「家庭の経済計画について」の理解が深まるように行った実践である。情報機器を利用することにより、生徒がカラフルでイラストなども入った興味深いスライドを見て、学習を進めることが できるので、視覚的にも理解しやすい。

但し、スライドを見せて、説明をするといったプレゼン型の授業では、生徒が飽きてしまうので、生徒が主体的に授業に参加できるように「生徒全体に対する問いかけやクイズを実施する」、「プリントに大切な事項を書き取らせる」、「プリントやスライドの大切な事項を音読させる」、「大切な事項にアンダーラインをひかせ、確認させる」、「考えたことを発表させる」、「スライドを映したホワイトボードに書き込みをし、その場で説明を加え理解を深めさせる」「授業の最後にまとめとして、大切なことや学んだことなどの振り返りをさせ、学習を定着さる」といった様々な学習が混在したテンポの良い授業実践をすると効果的である。

※「新しい家庭経済授業プラン」は当サイトから自由にダウンロードできます。
ぜひご活用ください(生命保険文化センター)。
⇒パワーポイント教材【新しい「家庭経済」授業プラン】はこちらから
⇒教師用手引書、ワークシートはこちらから

3.授業の位置づけとねらい

  • 対象学年・・・・・1年生
  • 対象科目・・・・・家庭総合
  • 使用教科書・・・第一学習社「家庭総合」
<構成>
単元名「消費を考える」〜私たちの暮らしと経済〜
  内容 備考
1 家庭経済の仕組み(国民経済) 家庭の経済計画、予算計画の必要性
2 家庭の収入と支出 家計管理能力育成(家計簿)
3 お金の管理・運用(パンフレット作成) 家計管理能力育成(金融機関・資産運用商品等)
4 私たちの生活と経済(1) 自立のための意志決定、私の命を育んだお金、受験に必要なお金
5 私たちの生活と経済(2) 社会人になるための経済学
6 私たちの生活と経済(3) ひとり暮らしのための経済学
7 私たちの生活と経済(4) 職業選択と経済学(外部講師によるワークショップ)
8 私たちの生活と経済(5) 家庭の経済計画について(本時)(PC・DVD情報機器使用)
9 私たちの生活と経済(6) リスクと資金調達、ネット社会を生きる
10 現代の消費生活 暮らしと情報
11 売買契約とキャッシュレス化 クレジットカードの仕組み(PC・DVD情報機器使用)
12 クレジットカードと消費者問題 ロールプレイングによる理解、ネットトラブル
13 消費者問題 悪質商法ロールプレイング実施
14 消費者問題 悪質商法あれこれ(PC・DVD情報機器使用)
15 契約トラブルの対策 多重債務、悪質商法と戦う
16 消費生活を考える 環境にやさしい生活者を目指して
17 家計シミュレーション 家計管理能力育成(グループワーク実施)
18 ライフプラン作り 自分の将来を考える力、短期・長期の家庭経済計画能力育成
  • <本時のねらい>
  • 自分の将来のライフコースとライフイベントについて考え、長期的な経済計画の必要性を再認識させる。
  • ライフステージごとの経済課題を知り、その課題をクリアするための家計管理と家庭の経済計画の大切さを理解させる。

4.授業展開(1時間)

過程 学習活動 指導上の留意点
導入 本時の目的を知る。
(まとめプリントの目的)
プリント(目的)を読ませ、下線に赤線を引かせ、本時の学習について理解させる。
展開(1) 長期的な経済計画の必要性を理解する。
(まとめプリントの(1)〜(4))
自分の将来を考えることにより、自分自身のこととして捉える。
ライフステージと家庭の経済課題について考える。
(まとめプリントの(5))
ライフイベントにおける家庭の経済課題に備える必要性を理解する。
ライフコースとライフイベントについて考えさせ、長期的な経済計画の必要性について
・スライドを利用
・プリントに記入
・生徒に発言させる
・説明するなどし、理解させる。
展開(2) 不慮の事態、事故などのリスクへの備えを理解する。
(まとめプリントの(6))
公的保障と私的保障があることを理解する。

公的保障と私的保障について具体的に理解し、自分自身の家計管理と家庭の経済計の大切さを理解する。
(まとめプリントの(7)〜(9))
リスクへの備え(公的保障・私的保障)について
・スライドを利用
・プリントに記入
・生徒に発言させる
・説明するなどし、しっかりと理解させる。
まとめ クイズで振り返る。
(まとめプリントの(10))

本日の振り返り(考えたこと、学んだこと)を実施し、本日の目的の達成について自己確認をする。
クイズにしっかりと参加させ、考えさせる。
本日の振り返りをしっかりと考えさせ、記入させ、理解を深めさせる。

⇒まとめプリントはこちら(PDF)
⇒授業用スライドはこちら(PDF)

5.生徒の感想

  • 中学校で勉強したことのある内容だったから、今日は、その続きを勉強できて良かった。社会に出るための重要なことを学んだと思う。
  • 保険や制度の仕組みが分かった。将来に役立てそうです。
  • こんなにいっぱい保険があると初めて知ったし、こんなにいっぱいあったら選ぶのに悩んでしまうと思います。大人になったら、上手く使い分けていきたいと思います。
  • 社会保険の中にも更にいろいろな保険があることが分かった。家計管理と家庭の経済計画の大切さを理解することができた。長期的な経済計画の再確認もできた。将来の事を考えることが出来たし、学ぶことも出来た。そして、社会の仕組みについても学ぶことができた。スライドの授業は、とても分かりやすくて良かったです。
  • 今日、将来に役立つことをたくさん学べて良かったです。そして、色々分かりました。しかし、よく分からなかったところもあって、少し難しかったです。なので、これからどんどん覚えていけたらいいと思います。
  • 色々なことが分かったし、クイズして分かったこともあって、すごく良い勉強になりました。これからの人生に役立つことばかりでした。もっとこのような授業がしたいです。

6.まとめ

今回、「新しい家庭経済授業プラン」(生命保険文化センターが作成したパワーポイント教材)から抜粋・編集したスライドと本校生徒が効果的に学ぶことができるように作成したプリントにより「家庭経済計画について」の授業を実施した。

授業の実施場所は、家庭科総合実習室B室である。この教室は、インターネットへ接続できるパソコン及びプロジェクター、DVDなどの情報機器が常設されており、パワーポイントやインターネットの情報を利用した授業がいつでもできる状況にある。スライドなどをプロジェクターでホワイトボードに投影し、説明の際には、マーカーでの書き込みなども実施し、リアルタイムで、効果があがる様に工夫をしている。

生徒たちは、机付の背付き折りたたみイスに座って授業を受けており、少々手狭ではあるが、集中して学習できている。この教室でのデジタル教材を利用した授業の生徒の反応は良好であり、今回の授業における生徒の感想は、「分かりやすかった」「1時間が早く感じた」「スライドが見やすい」「楽しく学べた」「将来に役立った」「また、こんな授業をしてほしい」などほぼ全ての生徒が前向きに捉えた意見を述べていた。

オリジナルのパワーポイント教材をいくつか作成し、家庭科の様々な分野で授業の中にパソコン(パワーポイント教材及びネット上のHPなどの情報)とDVDなどの情報機器を活用した授業を実施しているが、今回のように既に完成されたパワーポイント教材を本校の生徒向けに手を加えるといった形で作成することができ、生徒の感想も良好であったことより、完成度の高い教材作成が出来たと言える。

しかしながら、生徒に分かりやすく教授し、生徒が興味関心を持ち、自ら生き生きと主体的に学ぶことができるようにサポートし、生徒にとって効果的な授業を実践するためには、自分自身も謙虚に常に向上心を持ち、学習、研究、模索し、教育力を高め、教材の改良を加え、教授能力を高め、生徒の「生き方」「自立」に役立つ「生きる力」を育む家庭科の授業を実践していかなければならないと考えている。

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