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「家庭総合」での金銭教育からアプローチをする
社会保障制度の授業実践例
〜「自立に向けて・・お金編」(スライドショーによる展開)〜
web.01
(2013.4)
東京都立足立新田高等学校 三野 直子 先生
 

1. はじめに

近年、金銭教育が教育場面で言われるようになってきたが、家庭科では消費生活分野の家計で金銭教育が行われている。この家計を活用することで住居費から住生活分野へ、社会保障費・税金から生活設計での社会保障制度へと家庭科の内容を縦断する形で学習を深めることが出来る。

硬くなりがちで、生徒が自分のこととして社会保障制度を捉えにくいことから「自立に向けて・・お金編」という題名で授業実践を行った。

また、平成25年度実施の学習指導要領では、第2家庭総合 2内容(5)生涯の生活設計 ア 生活資源とその活用に生活の営みに必要な金銭・・・の理解を深め、有効に活用することの重要性について認識させるとある。

 

2. 学習のねらい

本校は「家庭総合」4単位を2、3年で実施。3年は「健康で長生き」をキーワードに食生活領域を学習している。2年次の3学期は「自立に向けて」のタイトルで【高等学校家庭科教材キット -新しい「家庭経済」授業プラン-】を活用し、家庭経営分野の導入に活用し、家計の学習から住居費を考えさせた。

そして、この住居費から住生活分野の学習を実施した経緯がある。そこで、3年次は「自立に向けて・・お金編」を導入に日々の生活でお金について考えさせ、2年次の社会福祉の学習を発展させて、近い将来自立する生徒にお金をキーワードに生活を支える社会保障制度を考えさせたいと考えた。実際、クラスには大学進学者、専門学校進学者、就職など様々な生徒が混在している。進学者は学資ローンを組んでいる生徒も多いのでこの題材を選んだ。

なお、今回スライドショーは2年次で活用した高等学校家庭科教材キットに社会保障の内容を加筆して生徒に見せた。(注:2年次で物語を導入に社会保障の学習は終えている。)

※ 【高等学校家庭科教材キット -新しい「家庭経済」授業プラン-】は生命保険文化センターが作成したパワーポイント教材です。
当サイトから自由にダウンロードできますので、ぜひご活用ください(生命保険文化センター)。
パワーポイント教材【高等学校家庭科教材キット】はこちらから
教師用手引書、ワークシートはこちらから
 

3. 授業展開例 「自立に向けて・・お金編」(スライドショーによる展開)

※スライドショーは、高等学校家庭科教材キットに独自のアレンジを加えたもの。
スライドショー(1)〜(19)はこちらから(PPT)

時間 具体的な学習指導 指導上の留意点・配慮事項 方法
導入
5分
・2年次での社会保障の学習を振り返り、本時の目的を知る。 物語から見た自立・社会保障の在り方を振り返させる。 スライドショーによる内容展開






NHK
2011.7.26放映
オトナへのトビラ
「DAYS2お金」
展開
45分
・近い将来・遠い未来から目の前にあるお金について考える。
・日頃のお金の使い道をチェックする。
・家計費から社会保障費を知り、その内容を知る。
・リスクへの備えとは何か考える。
・公的保障・私的保障を考える。
・お金にまつわるトラブルをDVDで視聴する。
生きたお金の使い方を考えさせる。





身近なお金のトラブルを知らせる。
展開
35分
・国をキーワードにお金を眺めてみる。
・「健康」であれば、公的医療保険は必要がない。すなわち、税金を消費しない行為につながることを知る。
・公的な医療保険の必要性を知る。
資料から今の社会保障の現状を確認させる。


国民の負担から保険制度を見つめさせる。
新聞記事配布
まとめ
15分
・社会保障と政府の関係を考える。
・労働の対価として得たお金の一部が税金となり、社会保障に使われていることを再確認する。
・次回は高齢者体験を通じて、社会保障を身近に感じ考える。
  まとめとして感想を書かせる。
 

4.まとめ

この学習では、日頃のお金の使い方を振り返り、自分の金銭感覚を確認させた。そして、社会に出て「働く」すなわち労働することで収入を得て、税金・社会保険料を支払うことで公的保障の中の社会保険をまとめていった。お金はないよりあった方が良いのは当たり前だが、お金に苦労しない生き方を学ぶことでリスクを少なくし、お金に向き合う姿勢を学ばせた。

生徒の感想に「社会の仕組みを積極的に考えることの必要性を感じた。」「保険の仕組みを何も知らなかったことを実感」など社会保障について前向きに考えるきっかけになったようだ。

年金問題はともすれば「どうせ貰えないから払わない」と言う考えになりがちだが、年金がもらえないということは国庫にお金がないことを意味し、国が破たんしてすべての社会保障がなくなることを意味する。働く世代が高齢者の年金をどのようにお金を拠出して支えていくのかを真剣に考えさせるきっかけにはなったと思う。

 

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