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経済的な自立について考えてみる
  web.04
(2013.7)
大阪府立芥川高等学校 稲葉 ゆかり 先生

1.はじめに

本校は家庭総合を2・3年で履修。「知らないということに気づこう」をテーマに多様な取り組みを行っている。

これまで、経済や社会保障の分野は消費者問題の分野に比べると、導入の部分から聞きなれない言葉に戸惑い、身近なこととして考えにくい生徒が多かった。

今回少し切り口を変えて、経済的に自立していくためには雇用形態や住宅問題など、生き方にかかわる大きな問題を考えていかなければならないこと、また、労働対価としての社会保障制度を学ぶ第一歩にもできるように工夫した。

2.授業の位置付け

◇ 対象学年 3年
◇ 対象科目 家庭総合
◇ 使用教科書 実教出版 「新家庭総合−未来をひらく生き方とパートナーシップ−」

3.授業展開例(1時間)

学習内容 学習活動 指導上の留意点 準備物等
導入
5分
○本時の目的を知る
○自立についての学習を振り返る
「知らないことを知る」大切さ、今日の授業は、これからの生き方を考えることにつながることを伝える。  
展開(1)
10分
○一人暮らししてみたい部屋を選ぶ
○一人暮らしにかかる費用の内訳を考える
記入のヒントをいくつか与えながら机間巡視し、完全でなくても、多少おおざっぱでも構わないので、まず自分で考えさせる。 ⇒ワークシート
(PDF)
展開(2)
10分
○答え合わせをする 実際に一人暮らしをしている卒業生の1ヵ月の収支を使い、生徒に身近な存在から考えさせる。  
展開(3)
20分
○働く形態による収入・社会保障などの違いや望む生き方と働き方について知る 今の自分の生活がどのような保障、扶養の上に成り立っているか考えさせる。
今後自立していくために必要なことを考える。
「あきらめる」「めんどくさい」「どうせ無理」に終わらせないようにつなげる。
 
まとめ
5分
○自分の知らないことを知る

○次回について
 (保険、年金など)
社会保障などは遠い先の事柄ではなく、これから知るべきことであることに気づかせる。 ⇒振り返りシート
(PDF)

4.生徒の感想

先生がいつも言う「何にも知らないということを知ってください」の意味が分かりました。フリーターやバイトで何とかなるというのは甘いということもわかりました。
一人で経済的に自立するというのはいろんな要素を考えないといけないと思いました。
社会保険とかまったくわからんかった。知らないことだらけでやばいと思った。
親とけんかした時に「嫌やったら出ていき」といわれて、「高校卒業したら、絶対家出たる」と思っていましたが、ちょっと思いとどまろうかと思ってしまった。

5.まとめ(おわりに)

近年アルバイトをして、生活費としてはほとんど使わず、趣味や交際費、衣服費などに使っているにもかかわらず、経済的に自立できていると思い込んでいる生徒も多数いる。 今回、授業をきっかけに、さまざまなことに気づき、自分の将来の生き方について素直に考え始めていた。

教科書にも具体例は出ているが、生徒に身近な存在の卒業生の実際の生活費を例に取り上げたことも自分の側に引き寄せて考えることのできた一要因だったと振り返りシートに書いている生徒も多かった。

これを入り口にして年金や健康保険、税金などについても話を進めて「知らない」ことでこうむる不利益について考えさせていきたい。

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