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「わたしの名言づくり」〜「生きること」から見える人生観〜
  web.06
(2013.9)
大阪府立島本高等学校 村山 純一 先生

1.はじめに

本校は、自然豊かな環境である大阪府三島郡島本町の北部に位置する。進学対策や就職対策など、進路に応じて文系進学、健康スポーツ、医療看護など、7つの専門コースを設置している。

家庭科は、1年生で「家庭総合(1単位)」、2年生で「家庭総合(2単位)」を履修している。その他、3年生で専門科目「フードデザイン(2単位)」をはじめとし、学校設定科目「ファッション造形(2単位)」「保育課題研究(保育専門コースのみ履修、3単位)」など、多彩な科目を展開している。

2.授業の位置付けとねらい

◇ 対象学年 2学年
◇ 対象科目 「家庭総合(2単位)」
◇ 使用教科書 教育図書「家庭総合 ともに生きる 明日をつくる」

本時の授業をつくるきっかけは、谷川俊太郎さんの詩『生きる』に、自分の『生きる』をつなげてひとつの詩を作るという本「生きる 〜わたしたちの思い(谷川 俊太郎 with friends)」との出会いである。この本には、ソーシャルネットワークサービス(SNS)でつながった人たちの「生きること」の詩に、それぞれの人生観が詰まっていた。

そこで、「ともに生きる 明日をつくる」がテーマの家庭科の中で、自分が学んだことや感じたこと、経験したことなどをオリジナルの言葉としてまとめ、他者やクラスと共有し伝えることで、「キャリア教育」の中の必要な力に含まれる要素のひとつである論理的思考力、創造力を伸ばしたいと考えた。

具体的には、各分野の学習のまとめとして、ワークシート「『わたしの名言』シート」を利用したオリジナルの「名言づくり」を行い、学習した内容を踏まえて、論理的に考えを要約し、深めることで、オリジナルの名言を創造する取り組みである。

また自分の考えを深めるだけでなく、ペアやグループでの交流を行うようにした。ワークシートに、相互評価できる欄(星の数などで評価)をつくり、積極的に参加できるようにし、オリジナルの名言を深める工夫をした。

3.授業展開例(1時間)

過程 学習活動 指導上の留意点
導入
(5分)
○本時の学習内容を確認する。
○各分野の学習を通して、オリジナルの名言をつくることを説明する。
各分野の導入で、過去の名言を紹介し、学習した内容を踏まえ、名言をつくり、発表することを伝える。
展開(1)
(15分)
○学習した分野の内容を踏まえ、オリジナルの名言をつくる。


○ワークシート「『わたしの名言』シート」を用いて、オリジナルの名言をつくる。
・個人…じっくりと考える

・ペア…名言を交換し、相互評価
ペアで相互評価することを伝え、他者に伝わるように、オリジナルの名言として、選んだ理由も記入しておく。

まず個人で、じっくりと考え、記入させる。次にペアで、オリジナルの名言の相互評価(星の数などで評価)をし、お互いにインタビューを行い、感想やアドバイスを行う。
展開(2)
(20分)
○ペアで共有したオリジナルの名言を用意した付箋紙に、マジックなどで記入し、発表用模造紙に貼り付け、共有する。

○模造紙の他者の名言を通して、さらにオリジナルの名言を深める。

○もう一度、自分の名言を見直し、新たな名言をつくる。
クラス全体で共有するので、見られたくないことや知られたくないことは、記入しない。


他者に理解してもらえるように、選んだ理由も簡単に記入させる。

気になる名言については、ワークシートに記録させる。
まとめ
(10分)
○本時の学習を振り返り、次時までの課題を確認する。 他者の名言を参考にして、さらにオリジナルの名言をつくり、ワークシートに記入する。

クラスごとにまとめて、フィードバックすることを伝える。
・プリント「食べること」とは?
・プリント「生きること」とは?

4.生徒が考えた名言

「『わたしの名言』シート」を活用して、次のような名言を考えた。また考えた名言は、名言集として、授業中に配布し、自分や他者の名言を客観的に評価するきっかけとした。

○「生きること」についての名言
毎日を楽しく過ごすこと、夢に向かうこと、みんなと笑うこと、寝ること、 恋をすること、自分の可能性を試すこと、走り続けること、歌うこと、波乱万丈、 後悔しない人生をつくること、何かを背負うこと、泣くこと、つなぐこと、 未来を創ること、夢を叶えること、染まること、喜怒哀楽、信じること など

○「食べること」について名言
食べることは生きること、自然からのめぐみ、明日への力、元気・パワーの源、 成長の素、家族とのコミュニケーション、生きがい、命、スポーツすること、 音楽を奏でること、走ること、世界を楽しむこと、人生の積み重ね など

○「家族」についての名言
好きでも嫌いでも家族、どんな時でも味方、世界No.1!、一番の理解者、 ピンチな時に助けてくれる、うっとおしいけど一番の見方、宝物、大好き、 近い存在、戻ってくる場所、応援団、おせっかい、絆でつながっている など

⇒ワークシート「『わたしの名言』シート」(PDF)
⇒プリント「あなたにとって生きることって?(PDF)
⇒名言集「食べること」は?(PDF)

5.まとめ(おわりに)

「『わたしの名言』シート」を活用して、各分野の学習内容を短時間で、生徒自身がまとめることにより、日頃、授業で学んだことを生活や知識と結び付けて解釈し、自分なりの考えをもたせることができた。

活用にあたっては、取り組んだ「生きること」について、名言集やポスターを作成することや学校行事(文化祭など)で掲示をすることで、共有することができ、たくさんの人に知らせることができた。また「生きること」だけでなく、単元ごとに、「食べること」、「装うこと」、「消費すること」、「家族」、「子ども」や「もったいないこと」などについても、手軽にまとめることができ、多方面で取り組むことができる。

 

また他者の名言を共有し、さらに他のクラスの名言での同世代の名言に触れ、お互いに評価し合うことで、異なる視点から振り返ることができ、生徒一人一人の学びの質が深まった。

今後も、家庭科の目標と指導項目との関連、および生徒の実態に応じて言語活動を計画的に位置づけ、より主体的に生徒自身が取り組み、論理的思考力、創造力を伸ばすことができるよう、授業の構成や指導の在り方を工夫・改善していきたい。

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