vol.04 他人事じゃない?みんなに関わるマイナンバー制度 生命保険文化センター 編集子(A子)
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数年前に「マイナンバー制度」という言葉を初めて耳にしました。最近はめっきり影をひそめていますが、実は来年には国民一人ひとりに固有の番号であるマイナンバーが通知されます。

マイナンバー制度は社会保障・税番号制度のことで、この言葉からまずイメージしたのは、私自身のアメリカでの生活です。10年近く前の話ではありますが、渡米後、「パスポートより大事だから絶対になくさないで」と1枚の紙切れを渡されました。

これはアメリカの「社会保障番号」という、市民一人ひとりに割り当てられる番号が記載されたものです。学校やアルバイト先への提示はもちろんのこと、この紙切れなしには、銀行口座の開設やクレジットカードの発行もできません。

私が明らかに外国人だからなのか、デパートで数万円程の買い物をクレジットカードでするだけでも、よく提示を求められました。私がどこの学校に行き、どこで何の買い物をして銀行口座にはいくらお金があるのか、なんだか全てを管理されているような妙な気分でした。

このような経験から、日本にもマイナンバー制度が導入されると知ったとき、やや後ろ向きな気持ちで新聞やニュースに接していました。

しかしマイナンバー制度の利用範囲は当面、「社会保障」、「税」、「災害対策」の3分野に限られる予定です。

例えば、公的年金や雇用保険の資格取得・確認・給付、生活保護や被災者生活再建支援金、福祉分野の給付、税金の確定申告書等にマイナンバーを利用することが想定されています。

これにより、より正確な所得把握や行政機関等の間での連携が可能になり、本来給付を受けることができるのに未受給となっている人がいる一方で、不正受給者も発生している状況の改善につながることが期待されています。また、社会保障の手続きは添付書類も多いですから、各機関を回って添付書類を揃えるという負担が軽減されると良いなと思います。

便利とはいえ、心配なのがプライバシー。そこで「マイ・ポータル」という自分専用のインターネットサイトが開設される予定で、そこでは自分の個人情報をいつ、誰が、なぜ提供したのか、行政機関等が持っている自分の個人情報は何か、確認することができます。

加えて、マイ・ポータルでは行政機関等への手続きを一度で済ませたり、一人ひとりに合った行政サービス等のお知らせを受け取ったりすることが予定されています。

税制や社会保障制度は自ら申し出て初めて恩恵を受ける性質のものが多い印象です。前回のエッセイでご紹介した「3歳未満の子を養育する特例」もそうですが、例えば医療費控除や住宅ローン控除の確定申告、遺族年金や障害年金の申請等は、まずその存在を知らなければ恩恵を受けられません。

こうした暮らしに密着する情報を「知らずに損をした…」ということが、このマイ・ポータルの活用により少なくなると良いなと思います。

ところで、このマイナンバー制度は個人の所得が発生するすべての場面に関係するので、当然行政機関等のみならず、前述の3分野に限って民間企業でも利用されます。

具体的には、民間企業は各種法定調書にマイナンバーを記載することになるため、従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し、給与所得の源泉徴収票や社会保険の被保険者資格取得届、原稿料や講演料の支払調書等に記載し、行政機関等に提出しなければなりません。

生命保険会社の場合は、一定以上の保険金等を支払った際に支払調書を税務署に提出しているので、制度の導入後はこの支払調書にマイナンバーを記載します。

(参考)支払調書の提出が必要な場合と現在の書式の記入例
支払調書の提出が必要な場合と現在の書式の記入例
※契約者と年金受取人が異なる場合は、平成25年分から支払金額にかかわらず提出されます。
※源泉分離課税の場合は課税が終了しているため提出されません。

マイナンバー制度は今年の10月に国民や民間企業を対象としたコールセンターが設置され、1年後の平成27年10月に市町村から国民へマイナンバーを通知、平成28年1月から利用開始となる予定です。

これから行政機関や民間企業の総務担当者等は忙しくなりそうですが、私は応募したマイナンバーキャラクターの愛称が採用されることを祈りつつ、動向を見守りたいと思います。

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