vol.06 厚生(共済)年金の加入者に付く「加給年金」とは?〜夫婦の生年月日、年金加入期間で十組十色?!〜 生命保険文化センター 編集子(R子)
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最近、知人のSさんから質問がありました。
「間もなく厚生年金の加入期間が20年。このまま私が働き続けると夫の年金額が減るんですよね?」
Sさんは昭和34年度生まれで55歳、ご主人は2歳年上で57歳だそうです。

Sさんは、将来受け取る夫の老齢厚生年金に「加給年金」が加算されなくなることが気掛かりなようです。
「加給年金」は、厚生(共済)年金に原則20年以上加入した「老齢厚生年金+老齢基礎年金」の受給者に、65歳未満の配偶者や高校生以下の年の子どもがいると加算される、いわば老後の家族手当です(65歳前に報酬比例部分+定額部分を受給できる場合にも加算されます)。

Sさんのご主人が65歳になって「老齢厚生年金+老齢基礎年金」を受給するとき、Sさんは63歳なので、65歳になるまでの2年間はご主人の年金に加給年金が付くはずですが・・・Sさん自身が20年以上厚生年金に加入していて、その年金を受給中の場合、夫の年金に配偶者分の加給年金は付きません。
扶養されるはずの人が相応の年金額を受け取っていれば、老後の家族手当(加給年金)は不要でしょう、という意味合いです。

Sさんの年金受給開始年齢は61歳です。
ご主人が65歳になる前に厚生年金(報酬比例部分)の受給が始まるので、Sさんの厚生年金の加入期間が20年以上になれば、最初の質問のとおりご主人の年金に加給年金は付きません。
※厚生年金は生年月日によって、また、性別によって「受給開始年齢」が違います。

Sさんの夫に付くはずの加給年金は、年額386,400円(平成26年度価格)です。2年分で約77万円になりますが、この加給年金のために55歳のSさんが仕事を辞めたり、仕事をセーブして厚生年金に加入しない範囲で働いたりするのはもったいない話です。Sさんには「働けるだけ働いたほうがいいよ!」とアドバイスしました。

ところで、加給年金は夫婦の年齢差で加算される期間が違ってきます。例えば、Sさんの夫が10歳年上だったとして、昭和24年度生まれなら今年度で65歳になり「老齢厚生年金+老齢基礎年金」が受け取れます。
Sさんは55歳でまだ年金を受給していませんから、厚生年金の加入期間が20年以上になったとしても夫の年金には加給年金が加算されます。

いつまで加算されるのでしょうか? Sさんの厚生年金の加入期間が20年以上なら、Sさんが61歳で自分の年金を受け取り始めるまでの6年間、20年未満の場合は65歳になるまでの10年間、夫に加給年金が加算されます。

これは夫に加給年金が付く例でしたが、妻が年上の場合は妻の年金に加給年金が付くこともあります。たとえ夫が家計を主に担っていたとしても、妻が20年以上厚生年金に加入していればいいわけです。
ただし、加算対象となる配偶者の年収が高いと加算されない場合があります。
年収が高いとは、850万円以上の年収がおおむね5年以上続く場合です。定年が間近など、年収が下がることが明らかなときは加算の対象になります。

その他、主に以下のような場合、加給年金は加算されません。
●加算される本人が、老齢厚生年金の繰り下げを選択している期間。
●加算の対象となる配偶者が、

  • 障害年金を受給している場合。
  • 中高齢の特例に当てはまり、厚生年金の加入期間が20年以上とみなされた年金を受給する場合、などです。
    ※中高齢の特例とは、昭和26年4月1日以前生まれの場合、男性40歳、女性35歳以降の厚生年金加入期間が生年月日に応じて15〜19年あれば、20年加入したとみなす制度です。

このように、加給年金が加算されるか否かは生年月日や夫婦の年の差でそれぞれ違います。あなどれない金額ですので、制度をよく理解して、自分の場合はどうなるのか確認しておいてはいかがでしょうか。

<振替加算について>
「加給年金」とセットのような制度として「振替加算」があります。
例えば、夫の年金に加給年金が加算されていて、妻が65歳になり加給年金がなくなると・・今度は妻の老齢基礎年金に「振替加算」が付くことがあります。
振替加算の金額は妻(夫)の生年月日によって異なります。昭和41年度以降生まれの妻(夫)には、振替加算はありません。
また、加給年金の支給停止と同様、厚生年金の加入期間が20年以上(中高齢の特例を含む)の妻(夫)に振替加算は付きません。

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