文字サイズ変更
  • フォントサイズ大
  • フォントサイズ中
  • フォントサイズ小
生命保険文化センタートップページ>学校教育活動>教育の現場から>教育の現場からINDEX>web.10
高齢者になったら掛かる費用を調べてみよう
web.10
(2015.1)
大阪府立西成高等学校 丸山 智彰 先生

1. はじめに

本校では卒業後約70%の生徒が就職、約20%が進学している。就職の中で多く占めるものが介護関係の仕事である。本校は普通科総合選択制で2年生から5つのエリアに分かれている。その中でも筆者は福祉エリアを担当しており、3年生の社会福祉実習で本授業を展開した。社会福祉実習は2年生で介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)の資格を取得した生徒のみが選択できる教科であり少し専門的である。

対象生徒は3年生11名(女子9名男子2名)である。実施は2014年12月8日であり、現地点で9名は介護職に就職内定、1名は看護師希望である。

今回のテーマは高齢者になって、(1)もし介護が必要になったら、(2)病気になったら、(3)死んだら、という3つである。目的は、各施設によってサービス内容が異なる点、利用者が支払う費用、社会福祉の必要性、サービスを提供する側としてどうするかなど、考えさせる機会とした。

2. 授業の展開(50分×2コマ 2時間連続の100分授業)

前の時間に調べ学習をするということを伝え、テーマ別に4つの班に分かれさせていた。

時間 学習の内容 備考
導入
5分
本日の流れの説明
(1)4つの費用を調べる   ・老人ホーム ・有料老人ホーム ・医療 ・葬式 の4つの費用を各班に分かれて調べる。
 
(2)プリントにメモ
 (1)で調べたものをメモ用プリントに記述する。
(3)ポスター作成
 (2)で記述したものを基にポスターを作成する。
 自分が調べたもの1枚、班で協力して1枚を作成する。
(4)各班で発表
  ポスターをもとに班で発表する。
メモ用プリント(PDF)
展開
5分
(1)予想金額を考える
 4つのテーマのそれぞれの予想金額を考えさせる。費用については1年目あるいは1回とし、医療については肺がんに統一する。三大疾病について携帯電話で調べさせる。
プリント配布
携帯電話の使用可
5分 (2)調べるポイントの説明    ・大阪でできる限り近い施設とする(医療除く)。
・種類や特徴などを整理する。
・費用についてはサービスを選択した詳細費用について調べ、その合計金額を計算する。
・各テーマの一般的平均金額を調べる。
35分 (3)班活動開始
  ・施設や病名が重ならいように何を調べるか決めさせる。
  ・携帯電話を使用し、実際に調べていく。
各個人の質問に対応する
展開
30分
調べ終わっていない生徒は引き続き調べさせる。
(1)ポスター作成に入る前に
 メモ用プリントが出来た生徒は教員に確認させ、画用紙等を配布する。
(2)ポスター作成
 ・個人で調べたものを1枚作成
 ・班でテーマの内容のものを1枚作成
画用紙B4やマジック等の準備
まとめ
20分
(1)各班で発表
 ポスターを提示しながら発表させる。
 ・ポスター(PDF)
(2)感想記入
 ・調べてみた感想
 ・他の班の発表を聞いた感想
 ・全体の感想
  の3つを記入する。
(3)ポスター・プリント回収
  出来なかった物は放課後残って完成させる。
情報の共有
1班5分程度

3. 授業を終えて、生徒の感想

・こんな費用とか調べることないから初めて調べて楽しかった。 ・こんなかかるんやって初めて知ってびっくりした。老後もいっぱいお金がかかるから大変。 ・思った以上に高い、大変やなと思った。 ・病気したらどうやってお金払っていくとか考えたら怖くなった。 ・調べてみてお金について考えていかないといけないなと思った。 ・病気にならないためにも努力しないといけない。将来のことを考えます。 ・死んでからもお金かかるのはしんどいからちゃんと考えるべきやと思う。 ・お金が多くかかるから保険に入らないといけないと思いました。 ・たまに調べているから調べることは簡単だった。

4. まとめ(おわりに)

携帯電話は慣れているはずなのに、検索の仕方、どれを見るべきなのか、必要な情報はどれかなど、上手く収集できないところが多かった。はじめは『分からへん。』『どうやって検索するの?』『これでええの?』など混乱ばかりであったが、「こうすると良い」「それで良い」などアドバイスを与えると黙々と調べることができ、情報収集能力や問題解決能力を得る機会となった。

ポスター作成については4班中2班が途中までの作成であったが、時間数を増やしたり、ポスターそのものを省略したりする工夫がいるかもしれない。

費用については、予想金額よりも多額な利用料を支払っているということを知る機会となり、税金や保険が必要であるということも認識できた。卒業後すぐに介護職員として働く生徒が多いため、使命感を持って働く一助になっただろう。

 

教育の現場からINDEXへ戻る