vol.01 2015.04 生命保険の契約〜こんなはずじゃなかったと後悔しないために〜 保険・福祉介護ジャーナリスト 鬼塚 眞子
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今や、情報は簡単に入手できる時代になった。視野も選択肢も広げられる方は、知れば知るほど判断に悩んだり、正確な情報がどれなのか、分からなくなる側面も持つ。保険選びにおいても、同じことが言えるのだ。
特に、保険はマイホームに次ぐ高い買い物と言われ、保険料を支払う期間も長期にわたる。また、健康状態によって、望んでいた保険商品に加入できないこともある。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためのヒントをお伝えしたい。

意外に思われるかもしれないが、保険商品は金融庁の認可が無ければ発売することはできない。保険会社の日々の業務なども法律にのっとって行われている。実は、来年5月をめどに法律(保険業法)が改正され、保険を販売する際の顧客ニーズの把握(意向確認)や顧客が判断するのに必要な情報提供が法律で義務づけられる。
そこで加入者側に是非、知っていただきたいのは、意向確認書や約款受領書に押印したのなら、もはや「聞いていなかった」「知らない」は、通用しなくなる時代となったことだ。

保険のトラブルは最終的に司法の場に委ねられる。その際、保険会社は意向確認書や、業務日報の記録を提出することとなるはずだ。
そうであれば加入者(契約者)も、出来れば複数の家族や親族と一緒に、話を聞くことをお勧めしたい。だが、時間経過と共に、人の記憶力は格段に下がる。いつ、誰と、どんな話をしたのかという記録を残すことを忘れずにいたい。さらに、誤解を避ける意味でも、次の面談時には、内容や疑問を再確認する習慣を身に付けるようになりたい。

ところで、「保険は嫌い」「保険は分からない」という方に、突っ込んで聞くと、「一生加入しないのではなく、いつかは加入すると思う」と答える方が圧倒的だ。
どうやら、その根底には、「加入するタイミングが分からない」「きっかけがない」「保険は本当に必要かどうか分からない」といった悩みを聞く。何か一つというより、3つすべてを織り交ぜて考えているように感じられる。

そんなあなたに、覚えておいていただきたいのは、複雑そうに思えることは、出来る限りシンプルに考えること。そして優先順位を立て、一つ一つ解決していくことをお勧めしたい。
先ほどの話に戻ってみよう。「いつ加入すればいいのか」「きっかけがない」「保険は本当に必要なのか」を、3つをひとくくりにして考えるのではなく、まず1つを考える。例えば、きっかけだ。
自分の家族や周囲の人の病気や事故や大ケガがきっかけで、保険に加入することも立派な加入の理由だ。

しかし、そういう経験がない方は、まず「保険は自分に必要かどうか」を考えることが何よりも重要だ。
保険と言えば、どうしても民間の保険をイメージしてしまうからか、「民間の保険に加入していないから無保険者」と勘違いしている人も多い。実は、公的な社会保険加入者は、誰でも公的な保険の加入者なのだ。

また、勤務先では福利厚生の一環として、自分が知らない間に、民間の保険などに加入してくれている場合もある。保険ではないが、行政でも子育て支援をはじめ、各種のサービスを提供している。
こうしたことを知らないまま民間の保険に加入すると、保障とお金の“二重の無駄”を生じてしまう。

“二重の無駄”を防ぐためにも、勤務先の福利厚生などを調べる、調べた記録を残す、家計の把握を確認するといった3ステップを必ず押さえておくことを怠らないように心掛けたい。
その上で、「e−ライフプランニング」のようなシミュレーションツールを活用して、ライフステージに合ったライフプランを考え、加入すべきかどうかを考えることが、実は一番の無駄を省くことになるのかもしれない。

「e−ライフプランニング」は生命保険文化センターが作成した生活設計シミュレーションツールです。
あなた自身のライフプランを考えるために、 ぜひお役立てください(公益財団法人 生命保険文化センター)。

「e−ライフプランニング」はこちらから

プロフィール鬼塚 眞子(おにつか しんこ)

鬼塚 眞子 (おにつか しんこ)

大手生保の営業、業界紙の記者を経て、07年に保険・福祉介護ジャーナリストとして独立。シングルマザーとして二人の子供を育てるほか、認知症の両親の遠距離介護を続けている。近著に「保険選びは本当にカン違いだらけ」(SB新書)。

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