vol.02 2015.05 20代、30代のシングルに生命保険は必要? 保険・福祉介護ジャーナリスト 鬼塚 眞子
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先日、クイズ番組を見た時のこと。「20代男性の生命保険加入率は?」(生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成25年度)という出題があった。

みなさんの予想は、いかがだろうか?“52.4%”との答えに、30%と回答した人は、「意外に高い数字」と驚きの声をあげていた。恐らく、回答者の方は、20代=独身=死亡保険は不要とイメージされたのかもしれない。

では、性別に関わらず、20代・30代のシングルに保険が必要かどうか、考察していきたいと思う。
一口に“生命保険”と言っても死亡保険・医療保険・がん保険・年金保険・資産性の保険と多岐にわたる。

まず、死亡保険を準備する必要について、考えていきたい。
私見ではあるが、20代・30代のシングルは、高額の死亡保障を準備する必要性は少ないと考える。ただし、親や親族の生活費などを負担しなければいけない人は、シングルであっても世帯を持つ家庭と同様の必要保障額を確保する必要があると考える。

その際も、社会保障制度や勤務先の福利厚生制度を熟考することは言うまでもない。
また、相続税の課税対象者は、年齢には関係ない。親族には「土地しかないから関係ない」と思っている人でも、対象になる場合があることは覚えておきたい。

ところで、「若い時は、病気になる確率は低い。だから、保険はいらない」との論調がある。確かに、平成23年の厚生労働省「患者調査」の性・年齢階級別にみた受療率(人口10 万対)でも、20〜29歳の入院の患者総数は881人、30〜39歳1,237人、40〜49歳1,615人となっている。

だが、ここに大きな勘違いと難しさが存在すると考える。病気になった人でも加入できる商品の種類が増えたものの、治療や検査中なら、自分の加入したい商品に加入することが現実的には難しい。

実際、ある女性(以下Aさん)が20代前半の時に、かぜが元であれよあれよという間に慢性疾患になってしまった。10年が経過した今、治療も投薬も食事を含む日常生活の制限もまったくないが、3か月に一度の定期検診はかかせない。

無保険者のAさんは、「もう保険に加入できるだろう」と思い、医療保険の申し込みをしたものの、残念な結果に終わった。その理由が彼女にはどうしても納得できないという。

一般の人は勘違いをされることも多いが、加入できるかどうかの“第一次選択”は“告知書”の返答いかんとなる。実は、Aさんの場合、告知書には、通院(3か月以内の医師の診察など)が問われていたのだった。告知書に病名など詳細を記入し、その内容をもとに保険会社が契約を引き受けるかどうかを判断することになる(告知書の内容は保険会社や保険の種類によっても異なる)。

若いうちは病気になる可能性はデータでは低いかもしれない。けれど、その病気にならない人が、あなたではないという可能性もゼロではない。近頃では身体面だけではなく、ストレス性疾患も取り沙汰されている。また若い世代は、交通事故で入院する人も少なくない。
保険を検討する際に、最大の困難は、自分が何歳でどんな病気になって、どんな経過をたどるのか、未来が霧の中にあることだ。

医療保険に加入できなかったAさんは、入院したときに備えて貯蓄をしている。
また、公的な医療保険では、医療費が高額になったときのために、自己負担額に上限が設けられている(高額療養費制度)ことなども理解している。

長い人生、さまざまなリスクが考えられる。何かあっても若い世代の最大の武器は、時間を味方にできることだ。時間があれば、失敗してもやり直すことができるし、結婚などで新たな家族や環境をつくることができる。

また、シングルといえども、「社会保障や将来が心配」という人も少なくない。
そうした人は、 “リスク分散の一環”として保険を捉え、年金や資産性を目的とした商品の検討をしている人も増えている。

いずれにせよ、若いときからライフプランを考えておけば何かあったときの対応も違ってくる。「e−ライフプランニング」のようなシミュレーションツールを活用して、ライフステージに合ったライフプランを考え、将来に備えることが大事になってくる。

「e−ライフプランニング」は生命保険文化センターが作成した生活設計シミュレーションツールです。 あなた自身のライフプランを考えるために、 ぜひお役立てください(公益財団法人 生命保険文化センター)。

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プロフィール鬼塚 眞子(おにつか しんこ)

鬼塚 眞子 (おにつか しんこ)

大手生保の営業、業界紙の記者を経て、07年に保険・福祉介護ジャーナリストとして独立。シングルマザーとして二人の子供を育てるほか、認知症の両親の遠距離介護を続けている。近著に「保険選びは本当にカン違いだらけ」(SB新書)。

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