vol.04 2015.07 子育て世代が知っておきたいライフプランと老後への備え 保険・福祉介護ジャーナリスト 鬼塚 眞子
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先日、保険に関する一般の人の体験談を聞く機会があり、驚いた話があった。
「子供が生まれたので、学資保険の加入について保険会社に相談に行ったら、自分の死亡保険のことについて聞かれた。“学資保険”で興味を誘い、“死亡保険”を販売することが目的になっているのでは?」というものだ。

相談者と保険会社の職員との間でどのようなやり取りが交わされたのかは伺いしれないが、子育て世代の『ライフプラン』について十分な説明もないまま、いきなり死亡保険を勧められたのなら、相談者が不信感を抱くのも当然だろう。

だが、子供が誕生したのだから、死亡保険についても是非考えてもらいたい。
未加入者はもちろんのこと、既加入者も万一の際に必要となる保障額に過不足がないかを確認することは不可欠だと考える。
子供の誕生にしても1人目の時はライフプランを見直したけれど、2人目以降は見直しを行っていないというケースも散見される。少なくとも配偶者を含めた収入の変化や、住宅購入といったライフイベントが起きた際は見直しを行ってもらいたい。

ライフプランの見直しを行うことで、資金面で余裕が生まれ、今までチャレンジできなかったことにもチャレンジできるようになるかもしれない。

また、子育て世代を含め、一般の人が持つ不安には『老後』に関するものも多い。
生命保険文化センター「平成25年度 生活保障に関する調査」によれば、自分の老後生活に「不安感あり」と回答する割合は86.0%と9割近くの人が老後生活に対して不安を抱えている結果になっており、不安内容のトップは「公的年金だけでは不十分」で、81.4%を占める。

一方、同調査によれば「老後のために私的準備をしている人」は62.7%にとどまっており、年代別(下表参照)では、若い世代ほどその割合が少なくなっている。

老後保障に対する私的準備状況

それでは老後の生活費は公的年金でまかなえているのだろうか。
総務省「家計調査報告(2014年平均速報)」によると、老後の生活費の不足について世帯主が60歳以上で無職である世帯(世帯員2人以上)の家計では、実収入から非消費支出(税・社会保険料等)を差し引いた可処分所得約17.6万円に対して、消費支出は約24.7万円で、1カ月間に約7.1万円が不足していることがわかる。

また、セカンドライフの期間はどれぐらいだろうか。
厚生労働省「簡易生命表(平成25年)」によると、日本人の平均寿命は男性が80.21歳 、女性が86.61歳となっている。つまり、一般的に定年といわれる60歳から80歳までの20年間は、セカンドライフとして過ごすことになる。

そこで、2人以上の世帯が80歳まで生存するとして、老後に準備したい資金を計算してみる。
毎月の不足額である7.1万円にセカンドライフとなる20年を乗じると、1,704万円の老後資金を確保しなければならないことになる。若いうちから自助努力で準備する必要があることがわかる。

貯金する場合は、当面の急な出費に備えるもの、住宅購入やリフォームなどの将来使う予定が決まっているもの、余裕資金といった具合に目的別に分けることをお勧めしたい。分けて貯金することで計画的に継続でき、他の費用への流用といったことも避けることができる。

漠然と貯金するのなら、一部を老後資金として準備したいものだ。
運用利回りの高い金融商品で準備するのも1つの方法だが、受取額が明確で計画的に準備できる一時払い終身保険や個人年金保険などで準備する方法もある(解約する場合、受取額が払込保険料総額を下回ることがある)。

ライフプランを作成したいと思った時には、お役立ちツールとして「eーライフプランニング」がある()。未来への良き道案内となるだろう。その上で保険加入の検討を行うといった流れは、しっかり覚えていただきたいものだ。

「e−ライフプランニング」は生命保険文化センターが作成した生活設計シミュレーションツールです。 あなた自身のライフプランを考えるために、 ぜひお役立てください(公益財団法人 生命保険文化センター)。

「e−ライフプランニング」はこちらから

プロフィール鬼塚 眞子(おにつか しんこ)

鬼塚 眞子 (おにつか しんこ)

大手生保の営業、業界紙の記者を経て、07年に保険・福祉介護ジャーナリストとして独立。シングルマザーとして二人の子供を育てるほか、認知症の両親の遠距離介護を続けている。近著に「保険選びは本当にカン違いだらけ」(SB新書)。

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