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消費は私たちの投票権〜フェアトレードから消費経済を考える
web.04
(2015.7)
大阪府立春日丘高等学校 家庭科 池原 佳子 先生
 

1.はじめに

本校は市内の中心に位置し、駅が近いということもあり、多方面から登校してくる生徒がいる。
多くの生徒が進学を視野に入れており、学習意欲が高い。同時にクラブ活動や行事も生徒主体で運営を行っている。しかし、毎日の生活においては実体験に乏しく、未成年であっても社会の一員であるのだという意識が薄い。

家庭科の授業では、さまざまな実物教材を体験したり、身近な課題に取り組んだりしながら、課題解決能力や創造力を高めていきたいと思っている。

 

2.授業の位置づけと学習のねらい

◇対象学年 高校1年生
◇対象科目 家庭基礎(2単位)
◇授業のねらい 東京書籍「家庭基礎 自立・共生・創造」
  本授業では、生徒の小さな購買行動が社会とつながっているのだということを考えてもらうために、フェアトレード運動を通して、「モノを買うこと=1票を投じること」を考えさせ、主体的に社会参加の意識を持たせることを目的としている。
 

3.授業展開例

<1限目>

学習活動 指導上の注意点 準備物等
○本時は「法の下の平等」を考えることを知る。
・前時までの学習内容を振り返る。
 
・「フェアトレード」とは何かを学習する。
少ない金額でも、その消費行動が積み重なって社会が動かされているという内容を再度意識させる。
 
副読本を使って、フェアトレード運動の内容を説明する。
 
 
 
 
小売店で販売されているフェアトレード商品の実物
○チョコレートに関するクイズに答えながら、カカオ生産の現状を考える。 クイズが進むにつれ、チョコレートの消費状況やカカオ生産の様子がわかるように、1問ごとに解説を入れていく。
一人1枚ホワイトボードを持ち、回答を一斉に提示し、見合うことで、互いに話し合えるようにする。
ホワイトボード
マーカー
○ビデオ(テレビ番組を録画したもの)を視聴し、フェアトレード運動の背景を考える。 各グループで向い合わせに座りながら視聴させ、ビデオの途中でも発言がしやすいようにする。 フジテレビ『世界がもし100人の村だったら』
○意見交換をする。
グループワーク
感じたことをどう表現したらよいかわからない生徒には、印象的だったシーンを伝えるよう助言する。  
○本時を振り返る。  
 
 
○次回の授業内容を確認する。
世界の中でも上位に位置する日本のチョコレート消費の背景をどう考えるか、再度課題を投げかける。
 
次回の授業で実際にフェアトレード商品を体験することを伝える。
 
〈課題〉
自分たちの身近な小売店にフェアトレード商品がないか探してくる。また家族内での認知度はどの程度なのかを話してくることを課題とする。
 

<2限目>

学習活動 指導上の注意点 準備物等
○前時の学習内容を振り返る。  
 
 
○本時の学習内容を確認する。
クイズ・ビデオの内容について、ポイントを絞りポップを準備して掲示しておき、教室に入ってきた者から順に確認できるようにしておく。
 
前時に出した課題を各グループで発表させ、その成果をクラス内で情報共有する。
 
○フェアトレード商品を試食する。 フェアトレード商品ではないチョコレートと食べ比べをし、感じた違いをグループで意見交換する。
 
コーヒーのドリップのポイントを示し、美味しい入れ方を体感させる。
・湯は円を描くように細く注ぐ ・きめ細かい泡がたつと成功
フェアトレード商品 ・チョコレート ・ドライマンゴー ・きび砂糖 ・コーヒー豆
○ビデオ(テレビ番組を録画したもの)を視聴し、フェアトレード運動の背景を考える。 各グループで向い合わせに座りながら視聴させ、ビデオの途中でも発言がしやすいようにする。 フジテレビ『世界がもし100人の村だったら』
○感想を記入する。 前時の学習内容と合わせて、感じたこと、考えたことを記入するよう促す。  
○本時のまとめ。 フェアトレードを通して、お金の使い方は自分のライフスタイルを表現するひとつのツールであるということを伝える。  
 

4.まとめ

生徒たちは、買い物をしたことはあるけれど、そこに何があるかを考えたことはないという子がほとんどであり、本授業の最初も、「フェアトレードの商品ってそんなに高いの??絶対ムリ!」などといった発言が多くみられた。
しかし授業が進み、フェアトレード運動の目的や背景を理解するにつれ値段の意味も納得していったと感じられた。

自分の財布からお金を出すことにより、自分の意思を表現できるということに気付いたと考えられる。
モノやサービスを購入することは、その団体に対して「1票を投じる」という行動と等しいものであり、たとえ少額であってもお金の使い方が自分たちの暮らす社会を作っていくということを継続して考えてほしいと思う。

今後も身近な内容を盛り込みながら、生徒自身が生活を主体的にデザインしていくことができるよう、授業内容を工夫・改善していきたい。

 

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