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2016.11 Essay vol.05

“高齢社会”を生きる
〜老後も元気で働き続ける〜

Written by 川端薫社会保険労務士事務所 川端 薫 Written by 川端薫社会保険労務士事務所 川端 薫

誰でもセカンドライフを「楽しみたい」という想いを持っていることと思います。楽しむためには「先立つもの」が必要です。しかし、「公的年金だけでは心もとない」と思っている方がほとんどではないでしょうか?一般的に老後に必要な生活費は「8,000万円〜12,000万円」と言われています。けれども、すべての人が同じようにこの金額が必要なのでしょうか?「どこで」「誰と」「どんな暮らしをしたい」かによって、必要な生活費は変わります。特に日本の場合は「どこで」暮らすかが重要となります。

とはいえ、どこで暮らすにしても公的年金だけでは「楽しい生活」を送ることが難しい気がします。楽しい生活を送るために収入を増やすことを考えましょう。収入を増やすためのいくつかの方法を以下にご紹介します。

資産運用で増やす
個人年金保険等の私的年金に加入する
定年後も働く

資産運用で収入を増やすことができればもちろん良いのですが、すべての人が収入を増やしていくことは難しいでしょう。すべての人が資産運用に興味を持つことなどなく、興味があっても「楽しい生活」を送るための資金を資産運用の収益から得ることは容易ではありません。退職金の一部を利用して資産運用にまわす資金を用意する方も多いと思います。けれども退職金の一部を利用する場合、リスクの高い運用は避けたいと考えることが多いため、大幅に増えることはありません。

個人年金保険等の私的年金に加入することは、「コツコツ」とセカンドライフの生活費を準備する方法としては優れていると思います。資産運用も私的年金への加入も、若いころから「コツコツ」と備えておくことがよいのですが、それもまた現実として難しいものです。

そこで、収入を増やすために「働く」という選択が出てきます。60歳で定年を迎え、その後65歳まで継続雇用で週に20時間以上働いた場合、雇用保険に加入することになります。雇用保険に加入していると次の給付金を受け取ることができます(要件に該当した場合)

基本手当(失業給付)
育児休業給付金
介護休業給付金
教育訓練給付金
高年齢雇用継続給付金

60歳以降で育児休業給付金を受け取る方は稀だと思いますが、家族の介護に直面した際に受け取れる介護休業給付金、厚生労働省指定のキャリアアップ・スキルアップのための講座を受講した際に受講料の一部を受け取ることができる教育訓練給付金、60歳定年時と比べて給与がダウンした際に受け取ることができる高年齢雇用継続給付金、そして仕事を辞めた際に受け取ることができる基本手当(失業給付)と、雇用保険に加入することによって受け取ることができる給付金はいろいろあります。

65歳以上の人が雇用保険に加入するためには、65歳になる前から引き続き雇用されていることが必要でしたが、平成29年1月1日より65歳を過ぎて新たに雇用された場合にも雇用保険に加入できるようになりました。65歳でいったん継続雇用から卒業し、新しい職場を探しながら高年齢求職者給付金(65歳以上は基本手当ではなく、高年齢求職者給付金となります)を受給して、再度働きだしても雇用保険に再び加入することができるようになります。今の65歳はまだまだ健康で元気な年齢です。働くことによって収入が増え、楽しみも増え、さらに身体にも気をつけるようになるので健康になっていくのではないでしょうか?

また、働き方によっては社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入することになります。加入することによって、将来受け取る厚生年金を増やすことが可能です。健康になって、収入が増え、将来の年金も増えると良いことずくめのような気がします。

度々このエッセイに登場する私の父ですが、実は70歳過ぎまで会社員として働いていました。おかげで老齢厚生年金の額は多い方であったと思います。また老齢厚生年金の額が多かったので、母が受け取っている遺族厚生年金の額も、平均より多いものになっています。

楽しくセカンドライフを送るためにも、長く働くことを考えてみてはいかがでしょうか。

*雇用保険から受ける失業給付は、65歳以上で受け取る場合には、高年齢求職者給付金として、被保険者期間が1年以上ある場合には50日分、1年未満の場合には30日分の一時金となります。

プロフィール

川端 薫

川端 薫 (かわばた かおる)

社会保険労務士(東京都社会保険労務士会足立荒川支部所属)、ファイナンシャル・プランナー(CFP/1級ファイナンシャルプランニング技能士)、NPO法人アクティブ・シニア・クラブ理事 
青山学院大学卒業。大手生命保険会社にて、個人・法人向け生命保険募集、営業職員・新入社員教育に従事、社内外向け各種セミナーにおける講師として活動。2009年「川端薫社会保険労務士事務所」を開業。現在、社会保険労務士・ファイナンシャル・プランナーとして、相談業務・コンサルティング業務・講演業務・執筆業務に従事。
<著書(共著)等>
「セカンドライフ検定」(オルツ)、「税務・経理・人事ハンドブック」(C&R研究所)
「労働法例違反で罰せられる前に読む本」(TAC出版)

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