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2016.12 Essay vol.06

“高齢社会”を生きる
〜ライフワークを追いかける準備〜

Written by 川端薫社会保険労務士事務所 川端 薫 Written by 川端薫社会保険労務士事務所 川端 薫

私が応援しているプロ野球球団に所属している某選手の年俸が3倍になったというニュースが流れていました。生まれ持った才能はもちろんですが、毎日相当の努力をしていることでしょう。若い人が自分の夢に向かって努力をして、その夢を勝ち取っていく姿は微笑ましく、明るい未来を感じます。人は皆、実現できるかどうかは別としてそれぞれ夢を持って生きていると思います。私は小学生のころに作った「壁新聞」に魅せられ、それをきっかけに大学を卒業するまで「新聞記者になりたい」と思っていました。が、残念ながら新聞記者にはなれず、卒業後は「経理担当」の会社勤めと相成りました。「新聞記者」という言葉は私の中から消えていたのですが、ここ10年ほど「一生に一冊でよいから、自分の小説を本にしてみたい」と考えています。社会保険労務士という仕事をしていますので社会保障と絡めたノンフィクションを書いてライフワークにしてみたいと思っています。完成は60代後半から70歳過ぎ位までの間で良いかな?とのんびり構えていますが、あなたはどのようなライフワークをお考えですか?

70歳を超えて自分のライフワークを追いかけるためには、それまでの準備がとても大切です。準備として大切なのは、家族や仲間との付き合い方を含めた「生き方」と「お金」だと思います。

少子高齢化がますます進む中、社会保障関係はさらに厳しくなっていくことでしょう。最近も70歳以上の医療費の「自己負担上限額の引上げ」が厚労省案として出され、これが通れば2018年8月から引上げが実施されるようです。

老後の資金がどれ位必要なのかはそれぞれの人によって違いますが、自分にはどれ位必要なのかを早めに掴んでおく必要があります。退職後の収入は、会社員でしたら「退職金」「公的年金」が大きな柱になると思います。60歳を過ぎてから金額を把握して「これだけ!」と驚いても遅いですので、50歳を過ぎたらザックリでも良いので「退職金」の金額を確認しましょう。そして「公的年金」の受取り金額の確認も忘れずに行ってください。一度は年金事務所にて試算をしてもらいましょう。

年金事務所に相談に行くときに持参する書類は、日本年金機構のホームページに記載されています。事前に確認しましょう。個人の年金相談は、全国どこの窓口でも可能ですので、勤務先の近くで相談することもできます。年金事務所では、ねんきん定期便には記載されていない「加給年金」や「振替加算」も加えて試算できます。

また、老後を迎えるまでに一家の大黒柱にもしもの事があった時の収入も大事な指標ですので、この機会に「遺族年金」の試算も一緒にすると良いでしょう。

(日本年金機構 ホームページ)
http://www.nenkin.go.jp/section/soudan/guidance/onegai.html

退職後の収入を把握すると同時に支出の把握も重要です。支出等の平均的なデータを知りたい場合にはホームページや小冊子等を利用するのも良いでしょう。

(生命保険文化センター ホームページ)
http://www.jili.or.jp/knows_learns/publication/index.html

支出は生活費ばかりではありません。忘れがちですが「介護保険料」と「健康保険料」は一生涯支払いが必要です。社会保険料の支払いが不要になるのは亡くなった時なのです。これからの時代、この2つの社会保険料は上がっていくことはあっても、下がることはないでしょう。よって支出等は少し多めに試算しておく必要があるかもしれません。

また、収入・支出を考える際には、ご自分の加入している「健康保険制度」や、会社員でしたらご自分の勤めている会社の規程類についても確認をしましょう。健康保険組合によっては、法定以上の上乗せ支給を受けることができることもありますし、会社の福利厚生制度で受け取れるものも確認しておくことが大切です。

ところで、70歳を過ぎて人生を楽しんでいる人はどのような人でしょうか?「お金に余裕がある」ということはもちろんですが、それだけではないはずです。きっと、「周りから声をかけてもらえる人」ではないでしょうか?「周りから声をかけてもらえる」ということはその人の「生き方」がどういうものであったかによるのだと思います。以前に勤めていた会社の上司から「借りの人生ではなく貸しの人生をおくるように」と言われたことがありました。もちろんお金の貸し借りではなく、「時間」や「気持ち」を自分に余裕があるときには貸してあげていると、自分が困っている時には貸してもらえるということを教えてくれたのでしょう。

最後に、「高齢社会を生きる」秘訣を考えてみました。ありふれた言葉ですが「早めの準備」につきるといえます。準備をするためには、「こうありたい自分」を考え、「現状を把握」し、「計画」を立てて「実行」していくことです。準備は一朝一夕で出来るものではありません。出来るだけ早めに始め、そしてその準備は「お金」だけでなく、「仲間」「生きがい」等多くの物を用意していきましょう。このシリーズも今回で最終回となります。お読みいただいた皆様が楽しい人生を送ることができますことを願っています。

プロフィール

川端 薫

川端 薫 (かわばた かおる)

社会保険労務士(東京都社会保険労務士会足立荒川支部所属)、ファイナンシャル・プランナー(CFP/1級ファイナンシャルプランニング技能士)、NPO法人アクティブ・シニア・クラブ理事 
青山学院大学卒業。大手生命保険会社にて、個人・法人向け生命保険募集、営業職員・新入社員教育に従事、社内外向け各種セミナーにおける講師として活動。2009年「川端薫社会保険労務士事務所」を開業。現在、社会保険労務士・ファイナンシャル・プランナーとして、相談業務・コンサルティング業務・講演業務・執筆業務に従事。
<著書(共著)等>
「セカンドライフ検定」(オルツ)、「税務・経理・人事ハンドブック」(C&R研究所)
「労働法例違反で罰せられる前に読む本」(TAC出版)

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