生命保険文化センタートップページ> 学校教育活動> 教育の現場から> 教育の現場からINDEX>web.05
「生活設計とリスクへの備え」
生命保険文化センターの教材を使った授業展開
web.05
(2017.2)
東葉高等学校 家庭科 若月 温美 先生
 

1.はじめに

高校生が卒業後の自分の人生の目標や自分らしいライフスタイルを実現するために、これからの人生を設計することは家庭科教育の重要な学習課題である。近年、安定した働き方が減少し、生活を立て直したり、生活を維持することが難しくなっている。そのような社会状況の中で働き方による賃金や社会保障の違いを学び、生活に起こり得る様々なリスクへの対処法を学ぶことは、これからの生活設計を考えるうえで重要なことである。リスクに対処するための保障としては公的保障と私的保障等があるが、それぞれの特徴と役割、そしてこれらを適切に活用することでリスクの影響を最小限に抑えることが可能となることを知ることで、その必要性を理解することができる。

本授業では、生命保険文化センターの「生活設計とリスクへの備え」のスライドを活用し、将来おこりうるリスクへの備えとして私的保障と公的保障それぞれの特徴と役割を学ぶことで、自分の将来を見通すことを目的とした。活用にあたっては、スライドに沿って、理解を深めるためのキーワードを記入できるワークシートを作成した。授業を実施するにあたり、パソコン(パワーポイントが使える環境のもの)、プロジェクター、スクリーンを準備した。

→ワークシートはこちら(PDF)
→授業スライドはこちら(PDF)

2.授業の位置づけ

◇対象学年  高校3年生
◇対象科目  家庭総合演習(学校設定科目)

指導計画

テーマ 学習内容 時間数
自分と仲間の生活を守るために 最低賃金や残業などの場合の割増し賃金など、非正規労働で働く場合の賃金について知り、困ったことが起きた時の解決方法について考える。 2時間
働き方の違いによる社会保障制度 正規労働と非正規労働の社会保障制度について知る。 1時間
生活設計とリスクへの備え 将来起こりうるリスクについて考え、それらへの備えとして私的保障と公的保障それぞれの役割があることを知る。 1時間(本時)

授業の展開例

学習内容 学習活動 指導上の注意点
※()内はws(ワークシート)の番号
.生活設計とお金 ○自分の将来を想像し、やりたいことは何か考える。
・代表的なライフイベントを示し、具体的に的にどれだけお金がかかるのか考える。
・自分にもたくさんのお金がかかっていることを認識する。
自分で予想して答えを記入する。(ws2〜3)



(ws4:時間があれば考えさせる)
.リスクへの備え






.公的保障を学ぼう


.私的保障を学ぼう
○高校生に身近なリスクを考える
○生活設計に影響のある重大なリスク
○リスクに直面した高校生の事例から身近なことであることを知る。
○リスクへの備えとして、公的保障、企業保障、私的保障(3つの保障)があることを知る。

○代表的な公的保障である社会保障制度の保障内容について復習する。

○私的保障には預貯金と保険があることを確認する。
○預貯金と保険の性質の違い、それぞれのメリット、デメリットについて知る。
○保険のしくみについて知る。
○生命保険と損害保険の違いを知る。
○生命保険には様々な種類があることを知る。
○生活設計に応じて必要な保障が異なることを知る。

リスクの定義を確認し、自分が体験したことを考えさせる。(ws5)
ワークシートに記入しながら確認する(ws6、7)
公的保障と私的保障の違いが分かったか確認する。(ws8〜9)
状況と制度について各自で解く(ws10)


ワークシートのページを指示しながら記入させていく(ws11〜15)
学習内容の振り返り 今日の授業で解ったこと、考えたことを書く。 ワークシートに記入するように指示する。(ws16)

実践結果

授業を通して、「保険は生きていくうえで今必要なものなのでちゃんと保険について知っていきたい。保険に入っていることでもしもの事態に安心できると思うから。」「将来のためにも保険について知っておいたほうが万が一のために良い。結婚だとかいろいろお金がかかるので助け合いが大切だと思った。」など保険の重要性について理解することができた。また、「人が生きるということはお金がすごくかかると思った。その中で「リスク」がおきてしまうとより大変になるので、何かあった時に困らないように保険や貯金など、自分なりの備えをするように心がけようと思った。」などリスクへの備えへの必要性について認識することができた。

「高校を卒業するとみんなそれぞれ違う道に進むので、自分に合った保険を選ぶべきだと 思った。」「世間にはたくさんの保険があってたくさんお金もかかるけど、自分に必要な保険を見分けて入りたい。」など自分のライフスタイルに合わせて保険を考えることの重要性を認識することができ、「老後や病気、けがなどをした時の生命保険が何種類かあるのを知ったので、自分の生活スタイルに合った保険を選んでいきたい。」「保険に入るお金は意外と安いと思ったので将来は保険についてしっかりと考えていきたい。」「子どもを二人以上生むことは幸せかと思ったけど、お金が倍かかって大変だと思った。」など自分の将来について見通すことができた。

一方で「お金の話はむずかしい」という感想や、「将来お金がかかるので、しっかり稼ぐ」という感想を持った生徒は少なからずおり、前時で学習した非正規労働者の賃金や社会保障の現状を振り返りながら、自分の将来のライフスタイルについて各自の意見を発表し人の意見を聞くことでよく考えることが必要であることを感じた。

3.授業を終えて

本時では、生命保険文化センターで作成された見やすく、わかりやすいスライドを活用して授業を展開することで、生徒が飽きることなく、テンポよく授業を進めることができた。しかし短時間で多くの内容が展開されていくので、授業についていけない生徒がいないように配慮することが大切であることを感じた。具体的には、ワークシートの記入の指示や確認を丁寧に行うこと、教員の一方的な説明や指示だけにならないように、生徒が各自で課題に取り組むこと、また生徒同士で話し合い発表させる場面を作るなどが必要である。有効なスライドを授業で生かしていくためには、このような授業展開に工夫を凝らすことが重要であることを実感した。

 

 

教育の現場からINDEXへ戻る