#介護

第2回:惑星直列!?
見直された介護サービス

2018年4月 介護報酬の改定について

(公財)生命保険文化センター編集子(J)

「ずっと要介護2だった母が、今回の認定調査で要介護1になってしまった…」

最近、そう口にして困惑する知人と会いました。要介護度は数字が大きいほど、重い介護状態を表します。知人は介護状態が変化していないのに、以前より低く判定されたことに不満を感じているようでした。

そこで「要介護度が低くなって、何か困ることが起きたの?」と尋ねたところ、今までどおり週3回のデイサービスを利用しているとのことでした。「だったら良かったね。それに、同じサービスを受けるのなら要介護度が低い方が自己負担の金額が安くすむことが多いよ」と話すと、少し驚いたあとホッとしていたようでした。

さて、その介護サービスの価格が、2018年4月から見直されました。介護報酬の改定です。

介護報酬の改定では、単に金額だけでなく、介護サービスの内容に関わる見直しも行われます。今回はさまざまな改定がありましたが、「訪問介護」の見直し、なかでも「生活援助」という介護サービスの改定が一部で注目を集めています。その内容をみてみましょう。

※家庭を訪問したホームヘルパーによって受けられる介護サービスが訪問介護です。入浴・排せつの介助といった「身体介護」と、調理や洗濯、掃除などの家事を助ける「生活援助」があります。

届出の義務化でサービスの使い過ぎをチェック

数ある介護サービスの中から何を何回、どれだけの時間利用するかという計画をケアプランといいます。今回の改定では、「生活援助」を多く(要介護度別に月27〜43回)利用するケアプランは、市区町村に届け出ることになりました。市区町村は、必要に応じてケアプランの見直しを求めることになります。

この改定は、今年4月からの周知期間の後、10月より実施されます。

条件を下げて「生活援助」の担い手を増やす!?

現在、介護サービスの担い手の人材不足が課題となっています。今後、高齢化が進むとさらに大きな課題になると懸念されています。

今回の改定では、「生活援助」サービスを提供するホームヘルパーに求められていた130時間の研修内容を改めることが決まりました。新研修は、半分以下の59時間で修了できます。

介護福祉士など専門性の高い人は身体介護を中心に担い、現在就業していない女性や中高年齢者も含めて、幅広い層がホームヘルパーとして生活援助を担う姿が念頭に置かれています。

「生活援助」は価格が下がる

今回の改定で、身体介護の価格は上がった一方、生活援助は下がりました。要介護者の自立の支援や、重度化の防止を推し進めるため、身体介護に重点を置くという見直しです。

下の金額が介護報酬で、利用者はその1割または2割(8月からは1・2・3割)を負担します。

訪問介護の報酬

介護報酬の改定は3年ごとに、また公的医療保険の診療報酬の改定は2年ごとに行われます。6年に1度、「介護」「医療」などの報酬が同時に改定を迎えるわけです。今回がその同時改定の年度で、「惑星直列」などと呼ばれます。

次の惑星直列のすぐ後には、人口の多い団塊の世代(約800万人)が75歳以上となる2025年を迎えます。一人暮らしの高齢者も増える中、特に介護を頼める人がいない場合は、早めの備えを考えて将来を乗り切りたいところです。

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