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家庭科指導計画
「消費者として暮らす−現代の消費社会」
web.08
(2007.11)
東京都立忍岡高等学校 家庭科 石橋和子 先生
はじめに はじめに

 現代の日本社会では商品情報が多彩で、販売方法が多様化するなかで、消費者は主体的な判断が必要である。家庭科「家庭総合」「家庭基礎」の「消費者として生きる」という内容は社会科「現代社会」の一部と類似する部分があるが、指導時間には限界があるので学校、教師によって、この内容の扱いや展開の仕方に大きな差があると思われる。類似内容でも生きていく上で大切なことであれば複数の教科で繰り返して学習することは大変有意義なことである。
  家庭科では「消費生活」という専門科目があり、その中では更に詳細な学習をするが、本事例は「家庭総合」、「家庭基礎」という必修科目における指導事例である。

指導分野 第7章 消費者として生きる
第4節 消費者として暮らす
  1. 現代の消費社会・・・・・・・・本事例
  2. 消費者問題が多発する社会・・・本事例
  3. 自己責任時代の消費者
  4. 情報の選択と活用
指導テーマ 消費者として暮らす  現代の消費社会
科目、教科書、発行所 家庭総合(東京書籍株式会社)、家庭基礎(東京書籍株式会社)
新家庭総合21(実教出版株式会社)、新家庭基礎21(実教出版株式会社)
対象 普通科 1年生
時間 50分程度×4コマ
指導目標
  1. 消費社会における契約の法的な意味を知り、権利と義務について考える。
  2. カード仕様の利点と欠点について理解し、適正な使用ができる。
  3. 契約が解除できる場合について理解し、手続きができる。
  4. 悪質な販売について被害の実態を知り、上手な断り方を身につける。
  5. 主体的な消費者として、適切な判断力を身につける。

指導内容 指導内容
  時間(分) 指導項目 指導内容 備考
導入
  • 本時の学習内容について
  • 契約の成立
   
展開
  • 契約の法的な意味
  • 契約の権利と義務
「新テーマスタディ家庭科」
(あれも契約これも契約)
15
  • 契約の事例研究
  • 事例1
    商品購入における契約
  • 事例2
    住宅の賃貸借契約における消費者と販売者の権利と義務
20
  • 契約の解除について
  • 安易に解除はできないこと、契約する前によく考えること。
  • 特定商取引法について
  • クーリングオフについて
  • 手続きの方法
  • 解除ができない例
  • 消費者契約法について
「なるほど知っ得!生命保険Q&A」
10
  • キャッシュレス社会とカード社会
  • 現金払いとカード払いの違い
「新テーマスタディ家庭科」
(カードがいっぱい)
  • カードの機能別分類
  • カードの種類とそれぞれの機能について
20
  • 生徒が持参したカードの種類と機能
  • カードの利点と欠点
  • 各自が所有するカードの分類
  • 所有するカードの仕分け
  • 高校生が持てないカードの理由と4Cについて
  • 高校生が持てるカードと持てないカード
  • 高校生がクレジットカード、ローンカードを持てない理由
  • クレジットカードの仕組み
  • 信用で成り立つカードの4C
  • 契約についてクレジット加盟店、クレジット会社、利用者の三社間関係
10
  • カードの計画的な利用
  • 商品の必要度、家計収支バランスへの影響などを考慮した計画的なカード利用について
「ニュービジュアル家庭科」
(若者の消費者トラブル)
10
  • 多発する消費者問題
  • 悪徳商法の事例研究
    アポイントメント商法、霊感商法、かたり商法、キャッチセールス、エステティックサロン、資格商法など
30
  • 寸劇
    仮想体験による販売者及び消費者の心理、販売方法の理解
  • グループ別に、販売者と消費者の役割分担をし、悪質商法の実演
「これであなたもひとりだち」
(おいしい話にご用心 金融広報中央委員会)
  • 上手な断り方を含む販売者への対応の仕方について
  • 体験的に販売者への対応の仕方を考える
  • 消費者信用について
  • 消費者信用は借金であること
  • 販売信用と消費者金融について
10
  • 消費者問題と消費者保護
  • 自らの判断による契約の履行
20  (・契約の解除の復習)  
10
  • 多重債務について
  • その他消費者問題と対策

整理

  • 本時のまとめ
  • 次時の予告
    家計管理における消費行為
  • 各自の消費生活行動について
    主体的な判断による消費生活
 
生徒の感想 生徒の感想
  • 楽しかった。カードにもいろいろな種類があることがわかった。自分にとって重要なカードの利用については慎重な考えを伴った使い方が将来できると思う。
  • 楽しく授業ができ、理解が十分にできた。これが一番。
  • 格好良くブラックカードやゴールドカードを使いこなせる大人になりたい。
  • オレオレ詐欺が流行したが、電話で相手が見えないのに、巧みな話術でだまされてしまうのは怖い。
  • 相手の弱みに付け込んだ商法は許せない。
  • 悪質商法だと最初からわかることはなく、断り方は言葉の選び方がむずかしいと思う。
  • 生きるうえで必要なことを具体的に学習したので、とても役に立った。
  • 親切に言葉をかけられたりすると、応じてしまうかもしれない。
  • ショッピングにはよく出かけるので、衝動買いもときどきしてしまう。やはり本当に必要なものを買うようにしっかりと判断したい。
授業後の所感 授業後の所感
  • ロールプレイは生徒が役割分担したので、被害者及び加害者の立場を考えることになる。座学学習よりも主体的な学びになるので、内容の定着度は高くなる。
  • 発表実習は準備・発表と時間を要するので、学習効果を最大限にするように学習のねらいを明確にしておく。
  • 日常の購買行為は契約であり法的な意味をもっている。売買契約には権利と義務が伴うので、購買行為は慎重に行うことを再認識をするように指導する。
  • 悪質販売は社会の変化に伴い、巧妙複雑になることが多く、国民生活センター等で最新の情報を入手し、生徒に提供し賢い商品選択ができるように指導する。
  • キャッシュレス社会における消費生活の利便性を知ると共に、カード利用の欠点、盲点に気づかせる指導をする。
  • 多重債務を抱えた家庭があることもあり、個人情報の保護の観点から、また生徒の心情へも気を配り、事例発表については十分な配慮をする。
評価の観点 評価の観点
  1. 授業中の取り組みの意欲はどうか。
  2. 授業内容の理解度はどうか。
  3. 発表や劇への取り組み、内容的にはどうか。
  4. 授業内容の提出物はどうか。
参考資料 参考資料
「これであなたもひとりだち」自立のためのWORKBOOK 金融広報中央委員会
「10代のためのマネー入門」お金やカードについて考えてみよう 金融広報中央委員会
「なるほど知っ得!生命保険Q&A」 生命保険文化センター
「ニュービジュアル家庭科 資料+成分表」 実教出版株式会社
「新テーマスタディ家庭科」 東京書籍株式会社
東京都消費生活総合センターホームページ
国民生活センターホームページ
 
 
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発行/(財)生命保険文化センター