もっと広がる、もっと使える! ーマイナンバーカードの利活用方法ー
突然ですが、皆さんはマイナンバーカードを持っていますか?
総務省によると、2021年4月1日時点のマイナンバーカード交付枚数は約3,597万枚、人口に対する交付枚数率は28.3%となっており、国民の4人に1人以上が持っている計算です。1年前の2020年4月1日時点では約2,033万枚(16.0%)でしたので、この1年間で約1,500万枚増と一気に伸びた印象があります。
交付枚数が伸びた要因の一つに、2020年9月~2021年4月に実施されたマイナンバーの交付を受けることで最大5,000円分のポイントを受け取れる「マイナポイント事業」が挙げられます。俳優の舘ひろしさんがマイナポイント事業のPRキャラクター「マイナちゃん」の着ぐるみ姿で普及活動に励むというCMも話題になりました。
急速に交付枚数が伸びる一方、「マイナンバーカードは取得したけど、マイナポイント以外にどんな場面で使えるの?」と疑問を持っている方や、「マイナンバーカードを持っていなくても生活には困らないし・・・」と申請を見送られている方も多いのではないかと思います。
そこで今回は、マイナンバーカードの主な利活用方法についてご紹介します。
1.本人確認資料として使える!
マイナンバーの提示と本人確認が同時に必要な場面では、これ1枚で済む唯一のカードです。金融機関における口座開設、パスポートの新規申請など、様々な場面で利用できます。
また、運転免許など顔写真付きの本人確認資料を持っていない方にとっては、マイナンバーカードがあれば複数の書類や証明書を提示する手間が省けるため便利です。
2.健康保険証として使える!(2021年10月~(予定)※)
就職・転職・引越しをしても健康保険証として使用することができるほか、後述の「マイナポータル」で、特定健診情報や薬剤情報・医療費を見ることができます。また、確定申告における医療費控除の手続きで、「マイナポータル」を通じて医療費情報を自動入力することが可能になる予定であり、手間が省けます。
※当初は2021年3月から本格運用開始の予定でしたが、延期されて10月からの予定となりました。
3.スマホ・パソコンで行政手続ができる!
政府が運営する「マイナポータル」というオンラインサービスで、子育てや介護をはじめとする行政手続の検索や、オンライン申請がワンストップでできます(オンライン申請できる手続の種類は市区町村によって異なります)。また、お住まいの市区町村から、その個人に合ったきめ細やかな「お知らせ」を受信するサービスを受けることもできます。
特に小さな子どもがいる方や介護をされている方にとっては、市区町村の窓口に申請に行かなくても行政手続ができるので便利ですね。
筆者は、一人10万円が給付された昨年の「特別定額給付金」申請の際に、このマイナポータルを活用し、書面申請に比べて早く給付金を受け取ることができました。
4.コンビニで各種証明書を取得できる!
引越しや転職など、節目の際に必要になるのが住民票の写しや印鑑登録証明書などの公的証明書です。従来は平日の開庁時間に役所まで足を運ぶ必要がありましたが、マイナンバーカードがあれば全国のコンビニで各種証明書の発行ができる市区町村が増えています(2021年5月10日現在、849市区町村で利用可能)。原則として毎日6時30分から23時まで利用できるため便利です。
5.民間のオンラインサービスで使える!
インターネットバンキングや各種の民間企業のオンライン契約の利用が広がっています。本人確認にマイナンバーカードを活用することで、口座開設までの期間を短縮できるようになるほか、なりすましや情報の改ざん防止にもなります。
この他にも、マイナンバーカードを社員証として利用しはじめた民間企業や、スマートフォンでもマイナンバーカードを読み取れる機種が拡大しているなど、利活用シーンは広がっています。
一方、日常生活で使用する上では、紛失やセキュリティ面が心配という方も多いと思います。
仮にマイナンバーカードを紛失してしまった場合は、24時間365日受付のコールセンターに連絡すれば、カードの一時停止措置が取られ、第三者によるなりすまし利用を防止できます。万が一のときも慌てずに対処しましょう。また、カードに内蔵されているICチップには、必要最小限の情報のみが記録されており、「税関係情報」や「年金関係情報」などのプライバシー性の高い情報は記録されていません。
政府は、2022年度末までにマイナンバーカードをほぼ全国民に行き渡ることを目指し、普及策を加速させていく旨を表明しています。その後、2023年度からはマイナンバーカードを介護保険被保険者証と一体化させ、2024年度末までには運転免許証とも一体化することを予定しています。
マイナンバーカードが普及した先にはどんな未来が待っているのでしょうか。便利さと安全性を兼ね備え、そして誰もが使いやすいツールになることを期待したいものです。