我が国は、少子高齢化・人口減少等の構造変化や、デジタル化の進展、コロナ禍の経験等によりライフスタイルの多様化が進行し、あらゆる世代において、一人ひとりが金融リテラシーを向上させ、主体的に生活設計を行い、自助努力や共助による生活保障の準備を行うことの重要性が高まっています。加えて、自然災害の頻発や激甚化、国際的な緊張の高まりや経済環境の変動等により、リスク全般に対する国民の意識と社会保障や金融資産への関心が一層高まっています。
このような中、当センターは、「消費者啓発・情報提供活動」「学術振興事業」「調査・研究活動」の3つの分野で、皆様のご期待に沿えるよう活動してまいります。
「消費者啓発・情報提供活動」では、本年度も学生からシニア層まで各世代に合わせた活動を推進します。
中学生から大学生までを対象とした生命保険実学講座については、学習指導要領の内容や18歳で成年になることなどを踏まえ、あわせて教員の方々との意見交換等を通じ、学校現場の実情に即した、より効果的なものとしてまいります。
中学生向けとして毎年多数のご応募をいただいている作文コンクールでは、引き続き当センター公式YouTubeチャンネルで生徒の皆さんにサポート動画を提供するなど、当コンクールの更なる普及・浸透を進めてまいります。
高校生向けでは、一般社団法人日本損害保険協会と共同で作成したカードゲーム教材「ソナソナ~備える者たちに幸あれ~」の普及を図ってまいります。また、大学生向けにもアクティブ・ラーニングを取り入れた講座などを幅広く提供してまいります。
中学・高校教員の方々を対象としたセミナーは、従来の夏季セミナーに加えて、昨年度は初めて冬季セミナーを開催しました。本年度も引き続き夏季・冬季にセミナーを開催し、全国からご参加いただけるよう広くご案内してまいります。
なお、中高年層のセカンドライフに対する関心も高い中、各世代のニーズに応じた生活設計や各種保険に関する啓発にも注力してまいります。
「学術振興事業」では、保険研究の更なる活性化と学術交流の一層の促進に取り組みます。特に本年度は、既存の研究会に加えて、生活保障におけるプロテクションギャップなど生命保険事業の長期的な課題に関する研究会を新しく発足させます。また、各種研究会やセミナー等を通じ、学界・実業界の交流にも努めてまいります。
「調査・研究活動」では、本年度は「生活保障に関する調査」(第17回)を実施します。4~5月に実査、2026年1月に報告書の発行を予定しています。
当センターは2026年1月5日に創立50周年を迎えます。これも皆様からの多大なるご支援の賜物と深く感謝申し上げます。今後も、生命保険制度の健全な発展のための諸事業を通じ、国民生活の安定向上、国民の利益の増進に寄与してまいります。引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
2025年4月1日