年金に関するQ&A
個人年金保険の年金を繰り下げて受け取ることはできるの?
生命保険会社などによって異なりますが、繰下げを取り扱っている場合があります
個人年金保険の年金は契約時に定めた年齢から受け取れますが、契約者は生命保険会社の承諾を得て年金の支払開始日を変更する(年金開始年齢を遅らせる)ことができる場合があります。
公的年金は繰下げ受給をすることで年金額を増額できますが、個人年金保険も年金開始年齢を遅らせる(繰り下げる)と、その分運用期間が長くなりますので年金額を増額することができます。個人年金保険の場合、運用には加入時の予定利率が適用されるのが一般的ですので、予定利率が高いほど年金額も増えることになります。
繰下げの注意ポイント
- 繰下げが可能かどうかは生命保険会社や商品によって異なりますので生命保険会社に確認しましょう。加入時に受け取った約款で確認することもできます。
- 年金受取開始後の変更はできません。年金開始日前に生命保険会社に申し出る必要があります(年金開始日の半年~数カ月前に生命保険会社から年金開始手続きについて案内があります。生命保険会社によりますが、案内に繰下げについて表記している場合もあります)。
- 保証期間付終身年金で繰下げた場合、年金額が増えても年金の受取総額が少なくなることがあります。例えば10年保証期間付終身年金で60歳年金受取開始を65歳受取開始に繰下げて75歳で死亡した場合、60歳開始では15年分年金を受け取れたところ65歳開始では10年分の受取りになります。年金額は増えても、受け取る年数によっては受取総額が少なくなります。なお、繰下げた場合、年金額がいくら増えるかは加入時の予定利率によって異なりますので、繰下げ年数ごとの年金額などを確認して繰下げを検討してもよいでしょう。
- 医療関係などの特約を付加している契約で、年金受取開始後も特約を継続する場合、特約保険料を一括して払い込む必要がある場合があります。繰下げたことで特約期間が延長されると、延長した分の保険料もまとめて払い込む必要がある場合があります。
据置期間の延長
契約時に5年・10年など据置期間(保険料払込満了後から年金受取開始までの期間)を設定している商品があります。年金額は据置期間の運用も見込んで決まっています。繰下げと同様、据置期間を延長して(年金開始年齢を遅らせて)年金額を増額できる場合があります。
上記とは別に、年金受取開始後の据置きを取扱う生命保険会社もあります。これは、受け取った年金をそのまま生命保険会社に預けておく方法で、預けてある年金には据置利率が適用されます(据置利率は金利水準によって変動します)。据え置いた年金は一部・全部をいつでも引き出すことができます。
年金の増額
生命保険会社や商品によって異なりますが、保険料を増額(または追加で一時金払込み)することで、加入時の予定利率で年金を増額できる場合があります。年金受取開始後の変更はできません。