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資産形成~知っておきたい投資におけるリスクとリスクの軽減方法~

(公財)生命保険文化センター 編集子(Y)

人生100年時代と言われる昨今では、生活設計の重要性が高まっています。
生活設計を立てるうえで資産形成を考える人も多いかと思います。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、金融資産保有世帯の金融資産保有額は、単身世帯、2人以上世帯とも預貯金が一番多くなっていますが、株式や投資信託、債券などの保有額や将来の不安に備えるための生命保険の保有額も一定の割合を占めています。

 

種類別金融商品保有額(金融資産保有世帯)どんな金融資産をどれくらい保有している?(金融資産保有世帯)

<金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」/2023年>

 

株式や投資信託、債券などによる投資ですが、これから始めたいと考えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
投資は、運用結果によっては、物価の上昇に対応できる、資産が増える、不労所得を得られるなどのメリットがありますが、一方で元本割れなどのリスクが伴います。
特に株式や株式の割合が多い投資信託などは価格が急激に変動することがあり、高い収益を期待できる反面、リスクの高い資産でもあります。

今回は、投資を考える際の「株式、投資信託、債券などの主なリスク」と「リスクを軽減する方法」を紹介します。

株式、投資信託、債券などの主なリスク

主なリスクは、下表のとおりです。

価格変動リスク

金融商品の価格が変動するリスクです。
社会や経済の状況や企業の業績によって、金融商品の価格は日々変動しています。

 為替リスク

為替の変動によって、外貨建ての金融商品の価格が変動するリスクです。
外貨建ての金融商品(外国株式・海外債券など)を売却して円に換える場合、為替相場の変動によって、金融商品の価格が変動することがあります。

流動性リスク

急な資金需要に対応できないリスクです。
必要なときに換金できない可能性があります。また、市場の混乱により取引ができなかったり、通常よりも不利な価格で取引を行わなければならなかったりする可能性もあります。

信用リスク

元本や利子が予定通り支払われないリスクです。
金融商品を提供している金融機関や債券を発行している企業の倒産などによって、元本や予定していた収益が戻ってこない可能性があります。

カントリーリスク

投資する国・地域の政治、経済、社会情勢などの変化に起因して価格が変動するリスクです。
海外に投資する際に、その国の社会や経済の不安定化により、資金を回収できなかったり、金融商品の価値が変動したりする可能性があります。

インフレーションリスク

インフレーション(物価上昇)によりお金の価値が下落し、金融商品の価値も下がるリスクです。

 

リスクを軽減する方法

分散投資

分散投資とは資産、地域、時間などを分散して投資することで、リスクを軽減するための方法の1つです。
分散投資には、主に3つの方法があります。

資産の分散

異なる資産(株式、債券、不動産など)に資金を分けて投資することです。
一つの投資が不調でも、値動きの異なる他の投資商品と組み合わせることで全体のリスクを軽減することが期待できます。

地域の分散

複数の国や地域、通貨を組み合わせて投資することです。
複数の地域や通貨を組み合わせることで、ある地域で経済状況が悪化して投資対象の値下がりがあっても、他地域の投資対象への影響が限定されている可能性があり、リスクを軽減することが期待できます。

時間の分散

金融商品の購入時期を分けて投資することです。
市場は常に変動しており、ときには急騰や暴落により大きく値動きすることがありますが、投資時期を複数回に分けることで、リスクを軽減することが期待できます。

長期投資

長期投資とは当面使う予定のないお金を長期的に運用することで、リスクを軽減するための方法の1つです。
短期間で売買するときは、値上がりや値下がりの動きに合わせて大きく収益を得ることもあれば、損失を被ることもありますが、長期保有を前提とした場合、一時的に価値が下がっても、長期的には価値が上がることもあるため、リスクを軽減することが期待できます。

おわりに

投資は計画的かつ戦略的に行うことで、将来の資産を築くための有用な手段の1つとなります。リスクを完全に排除することは不可能ですが、商品の特性を十分に理解し、リスクの軽減方法を知っておくことが重要です。
資産形成の手段は投資だけではありません。生活設計を立て、いつでも使える預貯金や将来の不安に備える生命保険などを組み合わせながら、状況に応じて配分を変えたり、見直していくことも大切です。
当センターのホームページ「ひと目でわかる生活設計情報」では、生活設計を立てるときに役立つ様々なデータを紹介したり、「e-ライフプランニング」では、生活設計のシミュレーションをすることができます。
是非参考にしてみてください。


<関連項目>
・「金融商品のリスクを知りたい
・「どんな目的で金融資産を保有している?
・「どんな金融資産をどれくらい保有している?

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