遺言書を作成したことがある人はどれくらい?
自筆証書遺言は2.1%、公正証書遺言は1.3%
日本財団の調査によると、60歳~79歳で遺言書をすでに作成している人は3.4%(自筆証書遺言が2.1%、公正証書遺言が1.3%)、近いうちに作成するつもりがある人は13.9%です。
遺言書作成者・作成予定者が遺言書を作成しようと思ったきっかけは「自身の高齢化」が64.2%、次いで「配偶者や子のため」が29.6%となっています。
遺言書準備状況
<日本財団「遺言・遺贈 に関する意識・実態把握調査」/2021年>
遺言書作成のきっかけ(上位10項目)
<日本財団「遺言・遺贈 に関する意識・実態把握調査」/2021年>
公正証書遺言書の作成件数は約11万2千件
2022(令和4)年に全国で作成された公正証書遺言書は11万1,977件でした。過去10年間の推移は下表のとおりです。
<日本公証人連合会「遺言公正証書の作成件数について」/令和4年>
自筆証書遺言書の保管申請件数(累計)は?
自筆証書遺言書を法務局(遺言書保管所)で保管する制度が、2020(令和2)年7月10日から開始されました。制度開始から3年経ち、保管申請件数(累計)は2023(令和5)年7月で57,396件となりました。
<法務省「遺言書保管制度の利用状況」/2023年7月>
遺言書の検認件数は?
公正証書遺言書や法務局で保管される自筆証書遺言書ではない場合、遺言書を発見したら開封せずに家庭裁判所に検認の請求を行います。2022(令和4)年の検認件数は20,500件でした。
<最高裁判所「司法統計年報」/令和4年>
自筆証書遺言書と公正証書遺言書
遺産分割に関する事件の件数
2022(令和4)年の遺産分割に関する事件は12,981件、そのうち認容・調停が成立した件数(分割しないを除く)は、6,857件でした。遺産価格別でみると最も多いのは1,000万円超5,000万円以下で全体の42.8%です。相続が争族にならないように、家族とよく話をしておくことや遺言書を作成するなど生前の準備は大切です。
・遺産分割事件とは、遺産分割協議がまとまらず裁判所へ調停・審判が持ち込まれたもの。
<最高裁判所「司法統計年報」/令和4年>