介護の施設はどんなところがあるの?
公的介護保険の施設サービスの対象となる介護施設は3つ
介護施設には、公的施設と民間の施設があります。公的施設のうち公的介護保険の施設サービスの対象となる施設には、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護医療院の3つがあります(介護療養型医療施設は2023(令和5)年度末で廃止されました)。要介護1以上と認定された人が施設サービス費用の1割~3割を自己負担することで利用できます(施設での居住費、食費などは原則、全額自己負担)。
要支援の人は利用できず、要介護と認定された場合でも入所の申込み後、施設によっては待機期間が長く、すぐには入所できない場合もあります。
注:介護老人福祉施設は、原則、要介護3以上が入所要件。
公的介護保険の「施設サービス」対象の施設
種類 | 主な入居条件 | 主な介護サービス |
介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) |
原則、要介護3以上と認定され、常に介護が必要で在宅では介護が困難な人 | 日常生活上の世話、機能訓練を受けられる |
介護老人保健施設 | 要介護と認定されているが、病状が安定している人 | 看護や医学的管理のもとで介護、機能訓練などを受けられ、在宅復帰を目指す |
介護医療院 | 要介護と認定され、慢性疾患などにより長期療養を必要とする人 | 医療や介護、日常生活上の世話を受けられる |
民間事業者などが運営する住宅・施設
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などは民間の施設です。 なかには要支援・要介護の人だけではなく、健康な高齢者を受け入れたり、 食事サービスだけを提供するようなところもあります。
ケアハウスは社会福祉法人や地方自治体、医療法人などが運営する福祉施設で軽費老人ホームの一つです。自治体の助成を受けて運営されているため、ほかの施設よりも費用が比較的低額で済むのが特徴です。
費用は運営主体やサービス内容、地域などによって様々です。ニーズや予算に応じて選択しましょう。
高齢者のための住まい(住宅・施設)
公的介護保険の介護サービスを受ける場合は、「居宅サービス」または「地域密着型サービス」を利用します。
種類 | 概要 | 介護サービス |
---|---|---|
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) |
居室の広さや設備、バリアフリーといった高齢者が生活しやすい基本的な設備の条件を満たし、生活支援サービス(安否確認・緊急時対応・生活相談)などを受けられる高齢者向けの賃貸住宅。 |
外部の介護サービスを利用。 |
介護付き有料老人ホーム |
特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホーム。食事などのサービスとともに介護サービスが提供される。介護サービスにかかる費用には介護保険が適用され、要介護度に応じた定額の自己負担分を支払う。 |
施設が介護サービスを提供。 |
住宅型有料老人ホーム |
食事などのサービスは付くが、介護が必要になったら外部の居宅サービス事業者と契約をして介護サービスを利用する有料老人ホーム。各種介護サービスの事業所が併設されているなど、居宅サービスを受けやすいよう配慮されていることが多い。介護サービスにかかる費用は、利用した分に応じて自己負担分を支払う。 |
外部の介護サービスを利用。 |
健康型有料老人ホーム |
食事などのサービスが付いた有料老人ホームで、自立した生活が送れる人が対象。介護が必要になると、原則退去しなければならない。 |
なし |
軽費老人ホーム |
自立した生活に不安があり家族などの援助を受けることが難しい人が、収入に応じて比較的低額な費用で、日常生活上必要なサービスを受けられる施設。 | 外部の介護サービスを利用。 特定施設入居者生活介護の指定を受けている場合は、施設が介護サービスを提供。 |
認知症高齢者グループホーム | 認知症高齢者のための共同生活住居。地域密着型サービスのため、施設がある市区町村の住民が対象。 |
施設が介護サービスを提供。 |
各施設等の利用者数の推移
介護保険制度がスタートした2000(平成12)年以降の利用者数の推移をみてみると、有料老人ホームの利用者数は、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の利用者数に迫る勢いで増加してきています。
<社会保障審議会介護給付費分科会「資料4 特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護」/令和5年8月7日>