老齢年金生活者支援給付金について知りたい
所得が少ない年金生活者へ、年金に上乗せされる給付金
消費税率10%への引上げに合わせて、所得が一定基準を下回る公的年金の受給者へ2019(令和元)年10月から支給されているのが「年金生活者支援給付金」です。
この給付金には、どの基礎年金の受給者なのかによって次の4種類があります。老齢基礎年金の受給者の場合、「老齢年金生活者支援給付金」または「補足的老齢年金生活者支援給付金」を受給できる場合があります。主に「老齢年金生活者支援給付金」について説明します。
給付金の種類 | 受け取れる対象者 (うち、所得の要件などを満たす人) |
---|---|
老齢基礎年金の受給者 | |
老齢基礎年金の受給者 | |
障害基礎年金の受給者 | |
遺族基礎年金の受給者 |
老齢年金生活者支援給付金の対象者と給付金額
対象者の要件(2024(令和6)年10月以降)
次のすべてに当てはまる人が手続きをすると、受給することができます。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 「前年の公的年金等の収入金額」と「その他の所得(給与所得など)」との合計額が基準額以下
基準額
69歳以下(1956(昭和31)年4月2日以降生まれ):789,300円
70歳以上(1956(昭和31)年4月1日以前生まれ):787,700円 - 同一世帯の全員が市町村民税非課税
・上記所得要件を満たさない場合でも、次の場合は補足的老齢年金生活者支援給付金が受給できます。
69歳以下(1956(昭和31)年4月2日以降生まれ):789,300円超889,300円以下
70歳以上(1956(昭和31)年4月1日以前生まれ):787,700円超887,700円以下
2025(令和7)年度の給付金額
国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間の月数に応じて、給付金額は表のようになります。例えば、国民年金保険料を40年(480月)納付した人の場合は月額5,450円で、老齢基礎年金の月額69,308円※と合わせると74,758円です。
※月額69,308円は69歳以下(1956(昭和31)年4月2日以降生まれ)の人の場合、70歳以上(1956(昭和31)年4月1日以前生まれ)の人は月額69,108円
保険料 納付済期間 | 保険料 全額免除期間 | 給付金額 (月額) | 老齢基礎年金額 (月額) | 老齢基礎年金額 +給付金額(月額) |
---|---|---|---|---|
480月 | 0月 | 5,450円 | 69,308円 | 74,758円 |
240月 | 0月 | 2,725円 | 34,654円 | 37,379円 |
360月 | 120月 | 6,976円 | 60,645円 | 67,621円 |
240月 | 240月 | 8,501円 | 51,981円 | 60,482円 |
給付金額(月額)の計算式
- 国民年金の保険料納付済期間に基づく額
= 5,450円※1×保険料納付済期間(月数) / 480月 - 国民年金の保険料免除期間に基づく額
= 11,551円※2×保険料免除期間(月数) / 480月
※1 毎年度、物価変動に応じて改定。
※2 生年月日と免除の種類で次のとおり金額が異なります。
補足的老齢年金生活者支援給付金〈参考〉
老齢年金生活者支援給付金は、所得基準額を少しでも超えると受給できません。 その結果、所得基準額を少し超える人よりも、老齢年金生活者支援給付金の受給者の所得総額が多くなります。こうした逆転現象がないよう、所得基準額を超える一定の人が受給できるのが「補足的老齢年金生活者支援給付金」です。給付額は、所得の増加に応じて減る仕組みです。
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」〈参考〉
障害年金生活者支援給付金、遺族年金生活者支援給付金を受給するための所得の条件や給付金額は、老齢年金生活者支援給付金と異なります。
支給要件
- 障害基礎年金または遺族基礎年金の受給者であること、かつ、
- 前年の所得が472万1,000円以下であること(障害年金・遺族年金等の非課税収入を除いた所得。なお、扶養親族等の数に応じてこの所得基準額は変動)
2025(令和7)年度・給付金額(月額)
- 障害基礎年金(2級)の受給者・・・5,450円
- 障害基礎年金(1級)の受給者・・・6,813円
- 遺族基礎年金の受給者・・・5,450円