公益財団法人 生命保険文化センター

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生命保険の契約をお考えの皆様へ 生命保険の契約にあたっての手引

その3:【既に保険を契約している皆さま】 生命保険の「見直し方法」と留意点を確認しましょう

生命保険の見直し方法の種類

保障を増やす方法
保険の種類を変える方法
保障の範囲を拡げる方法
保障を減らす方法

「追加契約」により、保障内容を変更する

現在の契約に追加して別の新しい生命保険を契約する方法で、告知(診査)が必要です。

保険金額を増やしたり、今までの契約とは異なる内容で保障を充実させることができます。

現在の契約に加えて、追加した契約の保険料を払い込む必要があります。

「特約の中途付加」により、保障内容を変更する

死亡保障を準備する特約の中途付加

現在の契約に定期保険特約などを中途付加して死亡保険金額を増額する方法で、告知(診査)が必要です。

増額する部分の保険料は、増額時の年齢や保険料率で計算されます。

医療保障、介護保障を準備する特約の中途付加

現在の契約に病気やケガに備える特約などを中途付加する方法で、告知(診査)が必要です。

中途付加したときの年齢や保険料率で計算された特約保険料などを払い込む必要があります。

「転換」の活用により、保障内容を変更する

※生命保険会社によっては、「保障見直し制度」などと呼ぶ場合があります。

転換は、現在契約している生命保険の積立金を利用して新たな生命保険を契約する方法で、告知(診査)が必要です。

現在の契約の積立部分や積立配当金を「転換(下取り)価格」として、新しい契約の保険料の一部に充当します。
まったく新たに契約するよりは保険料負担が軽減されます(下図を参照してください)。

現在の契約の一部を転換する場合を除き、もとの契約は消滅します。

転換の仕組み

注意

転換に関して

  • 同じ生命保険会社でなければ利用できません。
  • 生命保険会社によって取扱基準が異なります。たとえば、新しい生命保険の保険金額が転換前の契約の保険金額を下回らないことなどの基準を設けている場合があります。
  • 保険料は、転換するときの年齢や保険料率で計算されます。
  • 新規の契約と同様に、告知(診査)が必要です。
  • 保険種類などによっては保険料が上がることがあります(転換時の予定利率がもとの契約の予定利率よりも下がる場合など)。
  • 貯蓄性の高い商品から保障性の高い商品へ転換する場合、現在の契約の積立部分を新しい契約に充当することから、転換前と転換後で保障内容・積立部分がどのように変わるのか、よく確認し納得したうえで契約することが大切です。

転換における生命保険会社の情報提供

生命保険会社は転換の利用を勧める場合、転換以外の方法や転換した場合の新旧契約の内容比較などについて、書面(転換を利用する場合の重要事項説明書面や契約概要など)を用いて説明することが義務づけられています。わからない点は、生命保険会社、営業職員、保険代理店に説明を求めるなど、よく内容を確認する必要があります。

現在の生命保険の「保険金を減額」する

主契約や特約の保障額を減らす方法で、これにより保険料負担が軽減されます。

減額は一部解約のことで、減額した部分は解約したものとして取り扱われます。減額部分に対応する解約返戻金があれば、それを受け取れます。

主契約、特約いずれも減額の対象になります。また、減額した場合、各種特約の保障額が同時に減額される場合があります。

生命保険会社や商品によっては、最低の保険金額基準などを設定している場合があり、それを下回る減額はできません。

現在の生命保険の「特約を解約」する

付加している特約のみ解約する方法で、これにより解約した特約分の保険料負担がなくなります。

解約した特約に解約返戻金があれば、それを受け取れます。

複数の特約を付加している場合、生命保険会社や特約の種類によっては、ほかの特約も同時に解約しなければならない場合があります。

注意

減額・解約による乗換えに関して

保険金の減額や特約の解約をしたときの解約返戻金は、保険種類・契約時の年齢・保険期間・経過年数などによって異なりますが、通常は払い込んだ保険料より少なくなります。特に契約後、短期間で解約したときの解約返戻金はまったくないか、あってもごくわずかです。

現在の生命保険を解約し、新しい生命保険に乗り換える場合は、契約年齢が上がるため保険料が割高になったり、健康状態によっては、新たに契約できない場合があります。解約した生命保険をもとに戻すことはできないため、新しい生命保険の契約成立後に解約手続きを行うなど、慎重に対応することが必要です。

保険料の計算基礎となる予定利率・予定死亡率などが、減額・解約される契約と新たな契約とで異なることがあります。たとえば、予定利率が下がることによって、主契約などの保険料率が上がる場合があります。